吃音:裁判の結果が出ていました。

 2015年12月18日に書いた、吃音:「裁判」と「自殺」で取り上げた裁判の判決が出ていました。(毎日新聞8月9日東京朝刊です。)
*詳しくは毎日新聞紙面をご覧ください。
*判決文全文を手に入れて読んでみたいと思います。

************毎日新聞紙面から引用
吃音(きつおん)を理由とする身体障害者手帳の交付申請を仙台市に却下された同市の無職、桜田俊介さん(47)が市を相手に却下決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、仙台地裁(高取真理子裁判長)は8日、請求を棄却した。
************引用終わり

 判決では、原告の吃音の程度では障害者手帳の交付対象にはならない、訴訟の本人尋問などで意思疎通ができているので交付の対象にならないとのことです。
*市側は、「国は吃音を精神障害のカテゴリーである発達障害に分類していて身体障害者手帳の交付対象にならない」と主張したとのことです。

 どもりは、確かに、全く話せない訳ではないので、重い人でも何十秒か待てば最初のことばは出るでしょうし、顔をひずませながら絞り出すようにひと言ずつ話しても最終的に意思は通じる、と言うことに(無理に解釈すれば)なるのかもしれません。

 しかし、現実には、ことばを使うイメージの事務職や営業職でなくて、たとえば現場の仕事でも、タイムリーに言うべきことばを言えないと仕事の流れに支障を来すどころか危険な場合もあります。現実にはその職場に居づらい状況があたりまえのように出てきます。吃音者が置かれている現実が全く認識されていません。
*原告の桜田さんは、これ以上家族に迷惑をかけられないので控訴はしない方向とか・・・

 我々吃音者は今回の問題をうけて、改めて、個人個人できる方法で吃音者の現実を発信していくとともに、
どもりのセルフヘルプグループなどでは、今回の問題や、何年か前の北海道の吃音を持った看護師の男性の自殺などの問題をメインテーマとしてよくよく討論などをし、活動内容などを根本的に見直していただきたいものです。

参考:吃音者自殺の報道に接して(2013年8月21日)

吃音:裁判の結果が出ていました。」への2件のフィードバック

  1. ふと疑問に感じたのは、身体障害者手帳ではなく精神障害者保健福祉手帳の取得を目指さなかったのかということです。両方ともだめだったのでしょうか。

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