吃音:引きこもりそうなときは(再掲載一部改編:初掲載は2012年5月17日)

 どもりを原因として引きこもりそうな状態になっている、または引きこもってしまったら・・・
 ひきこもるきっかけはこどもから大人までいろいろあります。
 どもりを原因として学校でいじめられた、どもりを原因とした就職の失敗、会社で大きな失敗など、
 引きこもりはじめてそれがあたりまえの毎日になってしまうと、その状態から抜け出てエンジンをかけなおすのはかなり大変なことです。
*経験者ですからわかります。

★まずは、散歩でよいので1日に1回は外に出ましょう。
 15分でも良いと思います。それもいやっだら近所のコンビニに買い物に行くくらいから。
 ちょっと遠くへ歩いて買い物に行くのも良いですね。
 家のなかとは違う景色を見るだけでも、ちょっとずつでも何かが変わってきます。
*最初は自分に過度な負荷をかけないようにしましょう。無理なくできることから。

★朝早く起き規則正しい生活をする(朝日を浴びる)
 朝(毎日一定の時間に)起きて戸を開けて朝日を浴びるだけでも気持ちが違ってきます。何かをはじめようという気持ちになって来るかもしれません。
 朝早く起きて朝日を浴びながら、まだ人影もまばらな近所をウォーキングも良いと思います。
*太陽(特に朝日)の光を浴びることは、うつ病の予防と治療に役立ちます。

★言葉を(メインで)使わないボランティアかアルバイトをはじめる
「ボラバイト」で農作業など体を動かすと良いと思います。
*将来に役立つような、または興味を持った「習い事」をしても良ですね。体を動かすようなこと、歌を歌うような音楽系、
*スポーツクラブで定期的に体を動かすのも良いですね。運動は、うつ状態にならないように予防したり治してくれたりします。

★なかなかできないことですが、家族に「いまの自分の状態」や「いましていること、これからしようとしていること」を話して、できるだけ理解を得ることも大切です。自分が少しでも家のなかにいやすくする工夫です。家族もすこしは安心するでしょう。
 どもりのことを話せる友達がいれば、友達から家族に話してもらう方法もあります。言いにくいことを話せる友達「親友」がいなかったら(大多数かな?)、例えばどもりのセルフヘルプグループに通ってみてはいかがでしょうか? 見つかるかもしれません。

★いつも書いていることですが、心の健康を保つことです。
 日頃から気軽にかかれる何でも話せる、マイ精神科医、臨床心理士などを見つけてください。力強い身方になってくれます。

★親友を持つことです。
 先ほども触れましたが、どもりについて話し合える友を持っている人は少数だと思います。親友はひとりいれば充分です。
 と言っても、どもりをわかってくれる友を探すのは至難の業。
どもりのセルフヘルプグループに行ってみてはいかがでしょうか?

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吃音:自虐的にならないで!よい方向を目指して少しずつ生きていきましょう(再掲載一部改編:2014年3月26日)

 子供の頃からどもりによる様々な苦労を重ねていると、どもること自体を自分の努力不足の結果のように考えがちになり自虐的になってしまいます。
*背景には、親を含む周囲からのそう思わせてしまうようなことば(悪意はないにしても)があると思います。

 親を含むいろいろな人から、「気にしすぎ」とか「もっと苦労している人はいる」のようなことを言われ続けると・・・、
「自分が悪い」「自分の努力不足」のように思うことが日常になりますが、そのような生き方をしていると、どもりの症状そのものにもよい影響があるはずがありません。

 サポートする人の側にも、「自分の考え方を変えれば良い」というような言い方をする人もいますが、まず考えるべきは、どもりは自分のせいではない「言語障害」ということです。
 どもりは一部の生活習慣病のように自分の不注意や不摂生からなったものではありません。
 過剰な被害者意識はよくありませんが、「自分が甘いから乗り越えられない」ような自虐的な考え方はよしましょう。

 それには、「どもりでいま困っているという事実」や、「人生においてどもらない人と比べて明らかに不利なことが多いということ」を自分のこころのなかで素直に思い・感じて、せめて信頼できる人のなかでは思いっきり「こぼせる・愚痴れる」ような環境を努力して作りましょう。
*家族にそれを求めるのは、ほとんどの場合は、無理です。
*ホームドクター的な精神科医や臨床心理士を努力して見つけて定期的に相談するとよいと思います。

 そのうえで、自分(たち)でできることをひとつずつ行っていくことです。
 どもりに熱心に取り組んでいる言語聴覚士に(幸運にも)出会えればその人の力を借りても良いでしょうし、
 また、信頼できるどもり仲間を作り、その仲間と小さなセルフヘルプグループを作り自分たちなりの目標を作って活動するとよいと思います。

 自分なりの努力をしていくなかで、それでも、「どもりがなかなか治らない」、「軽くならない」、「学校や仕事において明らかな問題点が出てくる」という現実に向かい合ったときに、自虐的でない、良い意味でのどもることに対する自分なりの考え方が少しずつ固まってくるかもしれません。
 その際には、ひとりで良いので、どもりのことをすべて話せる親友が必要です。

吃音:幼少時からの親子関係・家庭環境がもたらすもの(たびたび再掲載一部改編:初掲載は2012年9月11日)

 どもりを持っている私が生きてきたなかで、また、幾人かのどもりを持つ友人と接してきて感じていることなのですが・・・、
 仲良くなりお互いの人生について忌憚なく話し合えるようになった「おとなの吃音者」のなかに、自分の幼少期の話題になると急に寡黙になる方が少なからずいらっしゃるのです。

 吃音についての一般論は実に多くを語り積極的に活動されている方が、自分の子供の頃の話しとなると急に寡黙になるのです。
 吃音者に限らず、自分の過去の話しになると、比較的親しい間柄においても急に寡黙になる方はいらっしゃいます。

 そのようなときには、「かなり辛い経験をされてきたのだろうな」とか、
「大変な苦労をされてきて思い出したくもないのだろうな」と考えて、こちらからはそれ以上聞くことはしませんね。(おとなの常識です)
*「親友」とは、そういうところまで話せる人間関係のことだと思いますが、実際には持っている人はかなり少ないようです。同じ悩みを共有している吃音者の間では比較的できやすいような気がしています。

 なんでこんなことを書いたかというと・・・、吃音者は心の解放がうまくなされていないのではないかと思うのです。
 子供のころからどもりにまつわるかなり辛い経験をしてきているにもかかわらず、それを無理矢理にこころの奥底にしまいこんでしまおうとするか、または無理に棚上げにしておこうとすることで、いまの自分をなんとか保とうとするようなギリギリの生き方をしているように見えてしまうのです。
*自分も30代前半くらいまではそういう生き方で無理を重ねていました。そういう「危うい生き方」が、結果としてどもりを維持させたり悪化させる、また、実際の症状以上に自分のどもりを悪く評価してしまい苦しんでいるのではないかと思うのです。

 こどもの頃からの辛い経験は、例えば・・・、
★子供の頃、どもる度に家族から注意されたり、場合によっては笑われたり無視されたりして自分の家のなかも安住の地ではなかった。

★子供の頃、学校や友達の間で(場合によっては家庭内で)、どもることにより精神的なレベルか肉体的なレベルでいじめ・虐待を受けていた

★家族関係(親子、夫婦、兄弟、祖父母)が劣悪でケンカやいざこざが絶えず、その人間関係によるストレスにより自分のどもりが維持され悪化して、結果として人生がうまくいっていないとこころのなかで強く思っている。

★しかし、自分の幼少期の経験や自分の家族については否定的に思いたくないし、そういう事実を人に知られたくないという複雑な思いが自分を締め付けている。

 一方、全く逆の環境の場合は・・・、
★学校でどもりで困ったり恥ずかしい思いをしても、帰った家ではいくらどもっても怒られることも注意されることもなく静かに話を聞いてくれるので、自分がどもりで困っていることをわだかまりなく家族に話せる。

★家族間で全くケンカのない家庭などありませんが、質実剛健で思いやりのある明るい家庭。

 こんな家庭環境に子供の頃からあれば、どもりが治るかどうかは別として、前述よりかは明らかに良い結果(吃音の悪化が食い止められる、心理的に重症のどもりとならない可能性が大になる)になるでしょう。

 それでは、前述のような「悪い家庭」で育ってしまった場合にはどうしようもないのかといえば、おとなになってから自分の努力でかなり回復できるものと考えます。

★アダルトチルドレンであることを認識する
 「こどもの頃、我慢していたこと」、小中学校のころからどもりで困ったり、どもりを原因としていじめられたりと、場合によっては自殺を考えるほどに悩んでいたのに家族には話すら聞いてもらえなかったし、言い出せるような環境ではなかった。
 そのような場合には、年月を経てからでも、年老いた親の前でも、「当時、自分がたいへん困っていて悩んでいたのに家族には何もしてもらえなかったこと」を大きな声ではっきりと言いましょう。(たぶん家族からは理解されないと思いますが)自分のなかで何かが変わりはじめるかもしれません。

★いままでは自分の人生のなかの「負の部分」と思って、こころのすみっこの方に紙に包んでしまっておいた「こどもの頃のどもりについてのいろいろなこと」を、自分の人生のなかの「ほんとうにあった隠せない事実(人生の一部)」とするために、自分で工夫しましょう。
 それには、例えば、東洋的な修養法である「座禅」なども良いかもしれません。
*もちろん、方法は、人それぞれです。

★やはり、自分の負の部分をためらいなく語れる友人(親友)を持つことです。

★セルフヘルプグループなど吃音者の集まりに積極的に参加して、自分以外のいろいろな立場の吃音者(性別、年齢、生きざまの違う)がどのような人生観を持って生きているかを体感することです。(ネットのつながりだけでは弱すぎます。)

★信頼できてなんでも話せるホームドクターとしての、精神科医、臨床心理士、できれば言語聴覚士も、などを努力して見つけ、それらの専門家のサポートのもとで、自分のどもりやいままでの人生をできるだけ俯瞰できるように(自分を客観視できるように)していくことです。

吃音:自分のことは自分がいちばん良く分かってはいるが・・・(再掲載一部改編:初掲載は2014年12月25日)

 どもりを持っている、それもある程度以上の重さのどもりを持っている人にとっては、どもりはじめた子供の頃からいままでの「自分しか知らないどもりにまつわるつらい経験・想い」がたくさんあります。  
そしてそれは、他の人にはなかなか理解してもらえないものでもあります。  
 親や学校の先生、専門家と言われる人たち(STなど)にもなかなか理解してもらえないでしょう。
*とりあえずでもどもりの話を最後まで聞いてくれる人が身近にいるだけでもかなり恵まれていると思うべきです。
*学校や職場では、言うべき時には言うべきことをしっかり・はっきりと言うことを求められます。(学校の授業中の発表や、職場での営業トーク・電話等でコミュニケーションに支障が出るような人でも)家庭では必要最小限のことをしゃべれば良いので、家族からはどもりの深刻さを理解してもらえないことも多いと思います。
*もちろん、家庭での最低限の会話でも大きくどもるような方もいらっしゃることを忘れてはいけません。
*吃音者どうしでも、重さや症状、育った環境(精神的・経済的)が違いますので、なかなか理解しあえないことがあります。  

 ですから、自分の経験や自分がいま感じていることを大切にして、しっかりと自分の意見を持ってこれからの生き方に生かしていく必要があります。  
人(親、先生、専門家)からのアドバイスに必要以上に振り回されないようにしましょう。
*なぜならば、人生は自分のものであり最終的には誰も責任をとってくれないからです。  

 しかし注意すべきこともあります。 自分の考え方を持つうえでの「思い込み」の注意です。  
自分の考え方を持って力強く生きていくことはとても大切なことですが、ひとつの考えにとりつかれてしまい柔軟性を失ってしまうことへの注意です。

「この生き方しかない」と周りが見えなくなることがいちばん危険なことです。  

 そのようなことにならないためには、
★多くの人(吃音者も非吃音者とも)と付き合って、いろいろな生き方考え方があることに普段から触れていることです。
*偏った考え方に陥らないようにするためです。

★しかし、他の人の考えに過度に振り回されないように、自分なりに精神修養や気分転換をして自分の考えをしっかりと持てるようにしていくことです。
*「いわゆる新興宗教など」にはまってしまわないように注意しましょう。

★信頼でき自分のことを隠さず言えるようなこころの専門家(精神科医や臨床心理士)をぜひ見つけてホームドクターにしてください。そしてその先生には自分の思いを率直にぶつけてください。(ぶつけられる先生を選んでください)

★人生には大きなピンチが何度もあります。(いくつからでも人生を生き直す覚悟)
 それができるように、自分の周りの環境(経済的・精神的)を日頃から整備しておくことが大切です。 ときには「大きな生き方の変更」が必要になるかもしれません。それを緻密かつ大胆にできるように覚悟し準備しておくことです。その際に大きな助けになるのは、やはり安心して心の内をさらけ出せる親友の存在です。

吃音:どもりを持つ子供に言ってはいけない言葉(再掲載一部改編:2016年11月30日)

 どもりを持つ子供に親御さんが言ってはいけない言葉

 よく言われるのは・・・
 「ゆっくりとしゃべりなさい」
 「もういちどはっきりと言いなさい」
  のような言葉です。
*「どもらないようにしゃべりなさい・・・」などとは言わないでしょうが!

 その他、褒める言葉も気をつけなければなりません。
「この頃良くなったね」「最近どもらなくなったね・・・」

 多くの場合、どもらなくなったのではなくて、家庭内ではどもりそうな言葉を避けられるので使わないか、話す絶対量を減らしている(どもりが目立たない)のでしょう。
 または、そのとき、どもりの重さや症状の波が、たまたま軽い方に振れていたときだったのでしょう。

 そんなときに褒められても当惑するばかりです。
家庭内では遠慮なくどもれる環境こそ大切です。
*それでなくても学校などの外の世界では「どもってはいけない」とか「どもると恥ずかしい」という大きなストレスがかかっていますので・・・
(もしかしたら、陰湿ないじめにあっているかもしれません)

吃音:ほんとうにどもりで困っている人はなかなか言い出せない(再掲載一部改編:初掲載は2015年3月20日)

 以前、どもるの人たちの泊まり込みの集まりに参加したときのことです。
 その集まりは、男性も女性も参加していて、年齢層も20歳代から50歳代まで、人数もほどほど(15人くらいだったでしょうか)で、いろいろと話ができそうな雰囲気でした。
 講師の語らいと意見交換の時間が主でしたが、夕食後の遅い時間には打ち解けて話せるフリートーキングの時間もありました。

 こういう機会を持つことは吃音者(児)にとってはとても大切なことだと思います。
 ほんとうは子供にこそ必要で、小学生のころから春休みや冬休み、連休などを利用して、学校の校舎でよいので、同じメンバーで継続的に行うことができれば、
そして、親御さんはもちろん、学校のことばの教室の先生、普通の先生なども参加して打ち解けたなかでじっくりと(本音で)話すことができれば、
「それで治る!」なんてことはあり得ませんが、それぞれの心のなかに大きな変化が生まれてくると思います。
*セルフヘルプグループでも一部行なわれていますが、もっと頻繁にいつものメンバーで継続的に行なうことが必要です。

 しかし、私が参加した集まりでは気になったことがあります。
 ほんとうに困っている人、やっとの思いでこの集まりに参加してきた人の発言の機会がないのです。
 なかなか言い出せない人がいるといちばんわかっているメンバーのはずなのに・・・

 どもりが重くて(重くなくても)、自分からは(どもりの仲間の集まりでも)言い出せない。
 毎日の生活でどもりのために追い込まれていて、どうにかなってしまいそうな自分をなんとかしたくて、そのきっかけがほしくて思い切って参加した。
 そんな人が、やはり、ほんとうに困っていることを言えずに時間が過ぎていってしまう。そんな印象でした。

 会合の講師は、「なにか言い残したことがありますか?」と聞いてはくれますが、やはり言い出すことができません。(雰囲気でわかります。目が語っていました)

 心のなかに溜まった何年・何十年か分の「言いたいこと、思い詰めていること」があるのでしょうが、やはり言えない・・・その人の仕草から強く感じました。
 もう10年ほど前のことですが、ふと思い出しました。

吃音で悩んでいる人が「悪者」になる現実(再掲載一部改編:初掲載は2013年5月23日)

 このブログには簡単な閲覧状況の解析ツールがついています。
 期間ごとの閲覧数やどんなキーワードでここに来たかがわかるくらいの簡単なものですが・・・、
「どもり 親 怒る」という検索ワードで見に来てくれた例がありました。
 吃音者の私はすぐピンときます。

 「どもりくらいで〇〇ができないなんて甘い」
 「世の中にはもっと厳し環境で生きている人がいる」
 もしかしたらこんな言葉を親から投げつけられたのでしょうか。
*さらに程度が悪い親の場合(場合によっては学校の先生も=私が経験しました)は、どもっている我が子をからかってみたり怒る場合もあります。

 どもりは障害です。しかも医学的に原因が分かっていないので、根治療法(投薬、手術)はもちろん、確実なリハビリテーション法もありません。

 どもりは、言えて当たり前の自分の名前がなかなか出てこなかったりします。
例えば「エート、エート、エート、エート・・・すすすずきでですっ」という感じです。
*それでも、ある程度の時間で言えれば良い方ではないでしょうか?

 家族から、我が子が・兄弟が・孫が「どもらない」か「ごく軽いどもり」見えてしまうのは、どもりそうなことばを避けているか(比較的軽い場合)、最低限のことしか話さないからです。
*家族の前では、どもりそうな「自分の名前や会社名」は言う必要はありませんね。

 家庭内での日常会話レベルではわからないないような軽いどもりの(に見える)場合でも、いざ学校や職場に行くと一転「ある程度以上の重さのどもりを持つ吃音者」となる場合もいくらでもあります。

 仕事の電話や顧客との面と向かっての交渉において、自分の名前や会社名を言い出すまでしばらく時間がかかったり要件を伝えるのに必要以上に時間がかかり、それもどもりどもりということになれば、仕事にもはっきりとした支障が出ます。

 学校で先生から指名されるたびに、どもりながらか最初のことばがなかなか出てこないような状況ならば、本人のこころが追い込まれることはもちろん、陰湿なからかいやいじめに会うこともまれではないでしょう。
 どもっている本人の心はいたたまれません。
*「どもりのために仕事で失敗をする」「どもりを職場で同僚・上司・顧客から指摘される、笑われる」「家庭でもどもりのことで怒られる」、こんなことが重なるとついにはうつ状態からうつ病となり自殺を考えることにもつながります。

 もしもいま、こんな状況に置かれているのなら・・・、
いや、追い込まれる前に、
★心の危機管理をしてもらえる、気軽にかかれて本音で付き合えるホームドクターとしての精神科医や臨床心理士を探しましょう。
★どもりのセルフヘルプグループに参加して、どもりのことを遠慮なく話せる友人を作りましょう。
★吃音にまつわる、家庭の問題、学校の問題、職場での問題(過度ないじめ・からかい、パワハラなど)があるのならば、その解決を手伝ってくれるソーシャルワーカー、弁護士などを見つけましょう。
*ひとりでどうしたらよいかわからない、学校や職場でのパワハラ、いじめなどのトラブルなら、「チャイルドライン」や「いのちの電話」など各種の相談電話、「労働基準監督署」「弁護士会」「法テラス」、心の問題でどこの精神科・神経科に相談して良いか迷ったら各県の「精神衛生センター」の利用も考えましょう。

 自分をこれ以上追い込まないように(追い込まれないように)してください。
あなたが悪いのではなくて、ことばの障害で苦しんでいる患者なのですから・・・

*参考:吃音児(者)へのネグレクト(無視)と虐待について(2008年9月10日)

 

吃音:いまの自分が少年の頃の自分にアドバイスできるとしたら(その1、その2) (再掲載一部改編:初掲載は2014年10月29日)

その1*********
 今回は、どもりで悩んでいる子供が、あたかも近所の歯医者に通うような感覚で通える、どもりの臨床に通じた専門家がいる施設などは(事実上)ないという現実を踏まえたうえで、あえて「妄想」のようなことを書いてみます。
*たまたま、学校の「ことばの教室の先生」が熱心にどもりに取り組んでくれているとか、日本には数少ないどもりに取り組んでいる専門施設(大学など)が日常的に通える範囲にあって・・・ということは考えないこととします。国内どこに住んでいても同じようなサービスが受けられるというのが基本だからです。

 さて・・・、吃音者を取り巻く状況がいまのようでは・・・、
どもりはじめた子供の頃からいままで、なんとか(死なずに)生きてこられたいまの自分が、過去の(少年時代の)自分にとってのいちばんの先生であり、カウンセラーになると思います。
*が・・・、悲しいかな、タイムマシンがないので、少年の頃の自分に会いに行って助けることはできません。たとえあったとしても、いまの自分が過去の自分には会えないとか?

★まわり(家族、友達)に気を使う前に自分のことを第一に考えて自分を守ろう
 心優しい人が多い? どもりを持つ子供。
*気が弱くなってしまっているといった方が正確でしょうか。

 家族には自分のどもるところを見せたくないので、どもりそうなことばは避けてできるだけ話さないようにすればどもる機会も減るので、そのようにしている人も多いでしょう。
 また、家のなかでどもると、家族(親兄弟、祖父母)から・・・「ゆっくりしゃべりなさい」「落ち着いて話しなさい」などの注意を受けたり言い直しをさせられる、
 場合によっては家族からですら、笑われたりバカにされる、などの状況におかれている人も少なくはないでしょう。

 まずは自分を守りましょう。

 もしも家庭の中が、どもりを持った自分にとって居づらいようなところだったら・・・、
 学校の先生(少ないかな?)、親戚など、自分のことをなんでも話せる大人がいればその人に相談するのも良いだろうし、
「そんな人はいない!」ということだったら、勇気を持って「チャイルドライン」などの相談電話にかけてみてください。(どもっても大丈夫、聞いてくれます)
 各地にある児童相談所に電話をしたり直接行っても良いと思います。

★同じ悩みを話し合える、共有できる友達を作る
 これが一番大切なことかもしれません。
 悩んでいることを気を使うことなくなんでも話せる友達がいることは何よりも大切なことです。
*実際には、どもりを持っている子供で、こういう友達を持っている人はかなり少ないでしょう。

「言友会(げんゆうかい)などの「どもりのセルフヘルプグループ」が主催する子供向けの催しなどに参加して、同じくらいの年齢のどもりの友達を見つけてください。
 たとえ近くに住んでいなくても、一度、直接会うことができよく話しておけば、あとはネットでも話し合えますね。

*****************************

その2**********

今回は・・・、
★自分のどもりの重さや症状をよく知ること
★自分のどもりを維持したり悪くさせるかもしれない家庭環境や学校環境を調べて対応すること
★自分(たち)でどもりについて調べ考えて、いろいろと工夫をすること
などについて書きます。

★自分のどもりの重さや症状をよく知ること
 自分がどもっているところを見たり聞いたりしたことはありますか?
ビデオカメラで撮影したりレコーダーで録音して見たり聞いたりすることです。
*ビデオカメラはメモリータイプでとても小さく高性能で安く買えますし、録音だけのレコーダーならばさらに安く買えます。

 しかし、自分のどもっているところを見るのが怖くて勇気が出ないというところが本当のところではないかと思います。
 それでも勇気を出して、「家族との何気ない会話」「買い物をするときの店員さんとの会話」「電話するときの話し方」「録音だけならば学校の授業中」など、自分のどもっているところを見たり聞いたりして観察してください。
 どもっているときにはどんな姿勢をしているのか?、顔つきはどうか?など、じっくりと観察すると見えてくるものがあるかもしれません。

★自分のどもりを維持したりより悪くさせるかもしれない家庭環境や学校環境を調べて対応すること

 自分がいま生きている環境について、
 家庭では、どもりで悩んでいることをわかってくれているか?
 家族とどもりの話ができるか?

 学校では、どもることで同級生や先生などにからかわれたりいじめられたりしていないか? 担任の先生にどもりのことを相談できるか? ことばの教室に通っているならば、その先生とはなんでも話せてしっかりとサポートしてもらえているか?

 もしも家族から「からかわれたり」「いじめられたり」しているのならば信頼できる大人に助けを求めましょう。
 親戚のおじさんやおばさん、学校の担任の先生など、なんでも話せる人がいれば良いのですが、そうでない場合は「いのちの電話」に電話したり「市の児童相談所」に電話でも直接行っても良いでしょう。警察でも良いと思います。

 学校でいじめられていて、しかも、親には相談できない、担任の先生も相談に乗ってくれないかきちんと対応してくれないのならば、迷わずに警察に相談しましょう。

★自分(たち)でどもりについて調べ考えて、いろいろと工夫をすること
 言友会(げんゆうかい)などのセルフヘルプグループでは子供の集まりも行なっています。同じ悩みを持つ同じくらいの年齢の友達を作ってください。
 いままでは、誰にも話せなかったどもりのこと。気軽になんでも話せる友達を持つことだけでもこころが楽になります。
 高校生くらいになれば、仲間で集まっていろいろと活動することもできますね。

 

当事者にしかわからないどもりを持ちながら生きることの苦しさ(再掲載一部改編:初掲載は2015年4月5日)

 日常生活・学校生活・仕事(職場)でのコミュニケーションに支障が出るようなどもりを持っているか、
 または、第三者から見た程度は軽くても自分として人生に大きな影響が出ている場合は、
どちらも大きな苦悩を背負っての人生となります。

 多くの場合は、どもりという問題に直面している当事者でしかわからない苦悩であり、周りの人に説明することがきわめて難しい(理解や共感を得られるのが困難な)ことでもあります。
*いちばんの理解者になるはずの吃音者でさえ、他の吃音者の気持ちを理解できないか、との吃音者からかけられる言葉や仕草で、かえってこころを傷つけられてしまうこともあるものです。

★家庭で直面する問題
 これは親兄弟や祖父母の、「どもりに対する無理解・無視」、「どもることを非難すること」などの問題です。
 多くの場合は「悪意から」というよりも、
「どもりの苦しみがわからない」、「深刻な障害とは思っていない」、「それほど悩んでいるとは思っていない」ことで、結果として無関心となることが多いと思います。
 たとえ本人がどもりの苦しさを訴えたとしても、それを「甘え」としかとらえることができずに、非難してしまうかもしれません。
*けがでリハビリを受けていて足を引きずっている家族に対しては、普通はそういう態度はとりませんね。

 しかし、もしも・・・、
 他人がいる前で、大きく顔を歪ませながら絞り出すようにどもりながらことばを発する場面を見せられれば、考え方も違ってくるとは思います。

 ・・・が、吃音者は、自分のどもりを極力隠そうとするのでなかなか理解を得られないのです。  
*多くの吃音者のどもりは「重症」ではなくて、何気ない日常会話では大きな問題もなく話していても、電話をかけるときや受けるとき、また、面と向かっての自己紹介などで自分の名前や社名を言おうとするときに、突然おおどもりになったり言葉がしばらく出てこなかったりするのです。(第三者からは軽く見えて、理解されない例です)

★学校で直面する問題
 新入学や進級の季節に、新しいクラスでは自己紹介をしますね。
新しい先生にも何回も名前を聞かれるかもしれません。
健康診断では名前を声に出して申告しなければならないかもしれません。

 当たり前にいえるはずの自分の名前が言えないことや言いにくいことは、どもりを持つ子供のこころを萎えさせるのには十分な出来事です。
*このことを理解できないどもりでない方は、仕事や日常生活において名前や所属する組織の名前を聞かれたときに、数秒の沈黙の後に、「えーと、えーと、えーと、えーと、すすすスズキです」と言ってみてください。

★職場で直面する問題
 社会人のどもりは自分の生活(生きていくこと)に直接影響します。
人はお金を稼いで生きているからです。

 職場で電話をとったりかけるときに、数秒の沈黙の後に・・・、
「な、な、な、なのはな、さ、さ、産業です」とやったらどうなるでしょうか?
 続いて話すはずの話の内容もしどろもどろで何が何だかわからなくなってきます。

 また、会話で比較的スムースに話せていたときに、相手が不意に名前を聞いてきて同じような状況になることもあります。
*顧客から「あの人はうまく話せないので担当を代えてほしい」と言われることもあります。これが現実です。

 このような状況で次第に仕事に支障が出てきて精神的に追い込まれていき、うつ病などのこころの病になり、結果的に会社を辞めることになることも多いのです。
*現実にはこのような症状でも、生きていくために頑張らざるを得ない人も少なからずいらっしゃるでしょう。(余計、深刻な事態になります。)

***************

 どもりの症状・重さ、それに伴う苦悩は、吃音者の成長とともに、また時間の経過とともに、置かれている社会的状況の変化などによっても大きく代わり得ます。
*季節や体調によっても大きく変わってくるという人もあります。

 小学生の頃は比較的おおらかな環境で過ごせて、どもりながらもそれなりに楽しく過ごせた(結果的に症状も安定してきたり軽くなってきた)としても、
中学に入り、いじめに遭った、ひどいからかいにあったことで深くこころが傷つき、症状はもちろんメンタル的に重いどもりになって不登校になってしまうということも十分にあり得ます。

 なんといっても、「学生から就職活動、そして就職」の頃がいちばん大きな節目になります。
(職種にもよりますが)仕事では話すべき時に話さなければいけないことを話すことをあたりまえに求められます。
自分がどもるという事実から逃げることができなくなります。
*私自身の経験としてこのブログに何度も書いています。

****************

 それでは、どのように自分のこころと体を守っていけば良いのでしょうか?
 これは、吃音者それぞれのどもりの重さや症状、また、生きている環境(精神的・経済的)によっても大きくその心構えや方法が違ってくるとは思います。

★世の中の公的・私的サポートを最大限利用することです。

 こころを守るため、こころの健康管理のためには、自分のことを何でも話せるホームドクター的な精神科医や臨床心理士が必要です。
(都道府県単位である、「精神保健センター」も役に立つと思います)

 家庭内で理解を得られないどころか、家族からどもるたびに怒られている、
 学校でいじめにあっていても先生が動いてくれない、
 職場で嫌がらせを受けたりする

 そのようなときには、市役所、ハローワーク、労働基準監督署、弁護士会、法テラス、保健所、児童相談所、警察署、いのちの電話などの公的・私的なサービスを最大限利用して自分を守りましょう。
 子供の場合には、学校の通級課程である、「ことばの教室」を利用することもできますね。

★自分で工夫・努力をして、こころの逃げ場、安心して自分の心のなかを出せる場所や時間を、いま生きているリアルな空間やサイバー空間(ネット)に作り出すことです。
 どもりのセルフヘルプグループに参加して安心して語り合える友達を作る。これだけでもこころは大きく救われます。また、いろいろな情報も入りやすくなるでしょう。

 自分でブログ等を作り(トラブルに巻き込まれないように匿名が良いですね)ネット上の友達を作る。
 このように、いろいろと工夫しながら、そして同じ悩みを共有する友を作り、孤独になることを防ぎつつ、少しずつでよいので頑張っていきましょう。

吃音:親を恨むこころは・・・(たびたび再掲載、一部改編:初掲載は2013年6月20日)

 私は大卒後も就職できずに、急に力が抜けたように約2年間引きこもってから少し元気が出始めたころ、なんとか通うことができた民間のどもり矯正所において、はじめて、どもりという同じ悩みを持つ友を持つことができました。

 それまでは、家族にも友達にも話すことのできなかった「どもりの悩み」を、
 心ゆくまで話し合えるようになったときの開放感は、ことばでは表現できるものではありません。
自分のこころのなかには、どもりに対する想いがこんなに多く詰まっていたのかと驚いたものです。

 また、こどもの頃からどもりに関する想いを無理やり自分のこころのなかに押し込んできたことが、自分のこころとからだに大きな悪影響を与えてきたことをあらためて実感し、確信し、これからも影響を与え続けるだろうことを予感しました。
 その中のひとつが、「こどもの頃からこころのなかに押し込んできた想い」
・・・「親に対する根深い恨み」でした。

 どもりの悩みは人それぞれですが、いろいろな吃音者に接するうちに、それなりの割合で「親に対する恨みの感情を持っている人」に会いました。
★こどもの頃、どもることで学校でも笑われたり、からかわれたり、いじめられたりしていたのに、そして、それを親に訴えたのに相手にされなかった
★それどころか「どもりくらいたいしたことはない、もっと苦労している人はたくさんいる」と説教をされてしまった。

 「家族にすら理解されずに苦しみのなかで生きてきた話し」を仲間から聞きました。なかには話しながら泣き出してしまう方もいらっしゃいました。
 こどもの頃からいままで、自分のこころのなかだけで持っていて誰にも言えなかった感情が、共感して聞いてくれる人の前で話すことによりあふれ出てしまったのでしょう。

 少し冷静になって背景を考えてみます。
★親はどもりのことが分からない?
 こどもの多くは、自分のどもりを知られたくないので、家庭のなかでさえも極力隠そうとします。
特に、言いにくいことばは言わないようにします。会話も最低限のものにします。
 ことばの調子の良いときにだけ話すようにすれば、親からは「だいぶ軽くなったね、良かったね!」などと頭をなでられるかもしれません。

 しかし、これでは親は、自分の子供がどもりで悩んでいることをしっかりと把握できません。
*学校でいじめられているにもかかわらず、家ではそのそぶりさえ見せないで、ある日突然自殺してしまうことに似ているかもしれません。

 ここで考えなければいけないこと・・・
★世の中にはどもりに対する正確な情報がほとんどないし(ネット上、世間話ともに)、気軽に相談に行けるこころやことばの専門家のいる公的な専門機関も(ほとんど)ない。

 これが致命的かも知れません。
 せめて、住んでいる街のなかに(日常的に気軽に通える範囲に)、一カ所でも良いから吃音に関心を持って取り組んでいる臨床心理士、言語聴覚士などがいる施設があれば、状況はだいぶ変わってくるはずです。
*学校の通級教室である「言葉の教室」も、その量・質ともに問題が大きいようです。

 親を憎んでいる場合はどうすれば良いか?
★同じどもりを持つ友人(親友)を、ひとりで良いので作り、いままでのことなどを打ち明けることにより、こころの中にある負荷を下げていく。
★どもりのセルフヘルプグループの会合に参加して、いろいろな立場(性別、年齢、育った環境の違いなど)の吃音者に接することにより、自分を俯瞰できるようにする。
★自分の「いま」や「これから」を充実していくことにより、過去にとらわれない(とらわれにくい)ような状況に自分を持っていく。(生き直し)

 なんと言っても、自分のことをこぼせる信頼できる友人を(ひとりで良いので)作ることが第一だと思います。
*なんでも話せるホームドクターとしての精神科医や臨床心理士を持つことも良いことです。(どもりで極度に悩んでいてどうにかなってしまいそう、でも、相談相手は誰もいないという場合には、まずはこちらにかかり、少し落ち着いてからどもりのセルフヘルプグループに参加して仲間を作ることが良いと思います。)