20年,30年前から、とっくの昔から格差社会にいる吃音者(再掲載一部改編:2007年3月21日)

 (ある程度以上の重さの)どもりを持っている人にとっては、話すことが仕事の重要な部分を占める職種への就職は困難を極めます。
*ある程度以上の重さとは第三者から見た重さだけではなくて、傍からは軽く見えるどもりでも自分ではそれで悩み人生に大きな支障が出ていれば、それは重いどもりです。

 世の中では「格差社会」なんて言われていますが・・・、どもりを持つ人にとっては笑っちゃう話で、とっくの昔から「格差社会」なのです。
「どもりでも人間性がよければ大丈夫、就職できます・・・」なんていわれますが、はっきり言ってそれは嘘です。
*就く職種によってかなり大きな差があります。

 まわりの人たちが勇気付けるためにそのような言葉をかけるのかもしれませんが、それは、時には罪な言葉にもなり得ます。
 現実には、どもりを持ちながら一生懸命に就職活動をしている方もいくらでもいらっしゃいます。(私もそうでしたので)その大変さは筆舌に尽くしがたいものがあります。

 どもりの人がオフィスワークや営業などの(言葉を話すことがメインの仕事)につく場合には、重症度による差が大きいのです。
*もちろん、言葉を使わない仕事につく場合は別です。

 本人としては大きく悩んでいても、客観的にみて軽いどもりの場合はどうでしょうか・・・
 そのような場合は(自分自身の苦悩は別にして)比較的スムーズに就職できます。
*または、誰かのコネで就職したのかもしれません。

 しかし、いざ仕事を始めてみると、まわりの人たちはあたりまえに電話をかけて人と交渉している人たちです。(あたりまえですが)
 今までのストレスがたまっていることもあり、緊張を強いられるオフィスワークでの電話などでの失敗などが重なると次第にうつ状態になっていき、どもりも悪化のスパイラルに陥ります。
 そして、次第に会社に行くのが苦痛になるような場合もあります。
さらには、うつ病となり会社に行けなくなる場合もあります。

 友人や家族の間の何気ない会話でも常に大きくどもるくらいの場合は、事務や営業のように言葉を使うことがメインの仕事につくことは困難を極めます。
 たとえ強力なコネで入ったとしても本人が苦労するだけですから、(本人の強い希望がある場合は別として)、親の見栄で就職させることは絶対にやめるべきです。

 いっぽう、第三者からみてほとんどわからないくらいのどもりでも、電話をかけたり交渉することがメインの仕事についたときには・・・、
まわりの人からみればほとんどどもらないように見える彼らは、普通に電話が出来てお客様とも普通に会話が出来るように見えますから、何でもやらせてみようということになります。

 しかし、それが本人にとっては、時として、とんでもない大きな負担となります。
 ことばの調子が良いときはいいのですが、どもりには波があります。
 調子が少し悪いときに仕事を失敗したりすると次第にどもり悪化のスパイラルに陥り、いままでできていたことができなくなっていきます。(電話や交渉です)
 
 言葉の面で仕事に支障が出てきて顧客に指摘されたり上司に注意されるようになってくると、毎日がまさに「死ぬか生きるか!」ということになり、ついには耐え切れなくなり突然に会社を辞めたりします。
 同僚からみれば、まじめに仕事しているのになんで急にやめるのだろう、と、不思議に思われますが、本人にとっては追い詰められた結果なのです。

 これくらいの症状の場合には、いろいろな条件がうまくあっていれば、結果的にどもりの症状が軽減されるとともに自信がつき仕事も良い方向に向かうこともあるでしょう。
*よく、克服経験談で語られます。

 このように、どもりの人の数だけのストーリーがあるのです。

 あるところには表面に出ている症状は軽いのに悩んでうつになってしまうほど悩んでいる人がいたり、
 また、あるところには、誰が聞いてもわかるほどの重いどもりでも家族の理解すら得られない場合があります。
家族から、「就職できないのは怠けているからだ。」と責められる場合すらあります。

 ひとりでどもりの現実と戦っている人はいくらでもいるのです。

 どもり対策は、ある意味、就職対策(仕事対策)なのではないかと思います。
 
 学生時代は、どもりで恥ずかしい思いをしたとしても生きて行けないということはありません。(しかし、いじめを受けたりまわりに理解者がいない場合は大変苦しい学生時代となります。)
 それは親の庇護下にあるからです。まだ親も比較的若いので家庭的にも余裕があります。

 しかし、就職するくらいの年齢になってくると親も歳をとってきて、親も本人もあせりだします。
本当はこのあたりでじっくりと家族と話し合っておけばよいのです。

 どもりの症状については、ありのままに、また、本人の今後の希望についても家族で冷静に話し合えばよい方向に向かう可能性がるのですが・・・、
家族の話し合いは感情的になり口喧嘩にになってしまうことが多いようです。

 せっかく良い学校を卒業したのだからと、親の見栄や世間体からいわゆる有名会社に就職させようなどと考えて、家庭内が修羅場になることもあります。
 ほんとうは、本人が働きやすい仕事に就くことが幸せになる近道なのですが。

 いっぽう、世の中にはへそ曲がりがいて、あえて苦しい道を目指そうとする人がいますね。
どもりである自分が許せなくて何とかしてやろうと考える人たちです。
*ある意味では見栄っ張りな人かもしれません。
 そんな人には大いに努力してもらって、どもりながらでも、事務職でも営業職でもどんどんトライしてもらいましょう。
*私もそういう生意気だった時期があります。

 しかし、たとえ、就職先で調子よくやれていたとしても、決して、今どもりで悩んでいる人の前では偉そうに説教するのはやめましょう。
人はそれぞれ違う(どもりの重さも、症状も、また、育った環境も、そしていま生きている環境も)のですから。

 そして、いつ、自分のどもりがぶり返して、いまの仕事ができないくらいになるかわからないのですから。

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