吃音:2016年 吃音者を取り巻く社会の実相を知る

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 新年は、まず、どもりを持つ人が2016年のいま置かれている現実について考えます。

★「吃音者がいまおかれている現実」をあらためて直視することの必要性

 このブログでもよく書くことですが、いまの仕事の世界はIT社会という割にはFace to Faceの会話・交渉の重要性がさらに増しています。

 とにかく良いものを作れば売れるという世の中ではとっくになくなっていますし、新興国でも同じようなものが(日本より安く)作れるようになっています。
 そのような状況の中で、国家間・企業間の熾烈な競争を勝ち抜くための、言葉によるプレゼン、交渉などの重要性がさらに増しています。

 それは当然のように学校教育にも影響を与えています。
 英語などの語学力はもちろんのこと、プレゼンテーションができること、相手を説得できること、これからは議論を戦わすスキルの習得がますます重要になってくるでしょうし、産業界が教育にそれを求めてくるでしょう。

*しかし、現状では、教える側の先生がそういうスキルを持っていないことが多いために問題が出ている場面が多いのです。
*教育現場におけるICT(情報通信技術)教育でも、日本らしいというかずっこけています。どうせなら既存のタブレットやPCを使いこなせるようにすればいいものを、また子供にはICTの面からも数学や英語、諸科学のトレーニングこそしっかりと仕込むことが必要なのに、学校現場にしかないような電子黒板やタブレットを使うことがICT教育と考えているのでしょうか?
国際化の面からも、むしろ国語(古典)や歴史(日本史・世界史)地理などのアナログ教育こそ最重要です。

 もちろん将来就くべき仕事はそれだけではありません
 事務系や営業系のように言葉を使うことをメインにする仕事のほかに、体や手先を使っていろいろなものを作ったり表現していくような仕事もいくらでもあるのです。

 が、例えば都市部にすむサラリーマンの子供がそういう選択肢を考えることは、いまのところ、あまり現実的ではありません。
 これからは、子供のころから、障害の種類や程度に合わせた将来の職業の選択肢についても積極的に教えていくべきだと思います。

 現実にはできることとできないこと(つける仕事とつけいない仕事、無理して就いたとしてもかえって自分を追い込んでしまうだけ)がでてくるのに、「やればできる」等の考え方は本人を苦しめるだけの場合が多いと思います。
*何年か前に看護師になった吃音を持つ男性が自殺したことがりましたが、非常に前向きに生きておられたということだけに、このことは重く考えなければなりません。

★どもりが「障害」としてきちんと認知され、しっかりとした公的サポートを受けられるようにすること

 このブログにも書きましたが、最近、吃音者が障害者手帳の交付を求めて裁判を起こしたことが新聞で報道されました。
本人にとっては自分たちの生活を守るための必死の行為だと思います。
どもりのセルフヘルプグループにも一石を投じたようです。

 事務系や営業系の仕事でなくても言葉を全く使わない仕事というのはありません。
 現場の仕事は大きな声ではっきりと伝えないと工程に支障をきたしたり危険を伴う場合もたくさんあります。
 現実の社会は、どもってもよい、どもったままでよい、とはかけ離れている場合が多いのです。

 名前が(なかなか)言えない、言うべき時にタイムリーに言葉が出ないということ、やっとでた言葉もどもり特有の繰り返しになってしまうという、つまり「どもり」を、言語障害として積極的に認めて、障害の重さによってしかるべき訓練やカウンセリング(本人とともに家族や学校の先生、職場の同僚や上司も)、金銭的援助が受けられるようにすべきです。
 しっかりとした公的なバックアップが必要です。

★すぐできることと、中・長期的にすべきことを分けて考える
*これも以前にも書いたかもしれません。

 前述の公的サポートの件はすぐにでもできることです。
 吃音児(者)が学校や職場でいじめを受けていたり不当な扱いを受けないように、法律の整備や実際の場面で公的サービスが有効に作用するようにしなければなりません。

 中長期的になすべきことは、アメリカで「Brain Activity Map(脳活動図)Project」として行おうとしているような国家的なプロジェクトとして脳について研究していくことには及ばないにしても、本格的に研究をすることでしょう。
 10年、30年、50年先を見据えた、こころの病気や脳の障害を治すための研究をしていかなければなりません。

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