吃音:親を恨むこころは・・・(再掲載一部改編:初掲載は2013年6月20日)

 私は20歳代後半になってはじめて、民間のどもり矯正所で同じ悩みを持つ友を得ました。
 それまでは(家族にも、友達にも)話すことのできなかったどもりの悩みを心ゆくまで話し合えるようになった時の開放感は、ことばでは表現できるものではありません。
自分のこころのなかには、どもりに対する想いがこんなに多く詰まっていたのかと驚いたものです。

 また、こどもの頃から、どもりに関する想いを無理やり自分のこころのなかに押し込んできたことが、自分のこころとからだに相当な悪影響を与えてきたことを確信し、これからも影響を与え続けるだろうことを予感しました。

 その中のひとつが、「こどもの頃からこころのなかに押し込んできた想い」・・・
「親に対する根深い恨み」でした。

 どもりの悩みは人それぞれですが、吃音者に接するうちにそれなりの割合で「親に対する恨みの感情を持っている人」に接しました。
★こどもの頃、どもることで学校でも笑われたり、からかわれたり、いじめられたりしていたのに、そして、それを親に訴えたのに相手にされなかった
★それどころか、「どもりくらいたいしたことはない、もっと苦労している人はたくさんいる・・・」と説教をされてしまった。
*「こんなもんじゃない! もっとハードな環境」に、こどもの頃から置かれてきた方が少なからずいらっしゃいます。

 こんなことを話してくれる人が多かったのですが、なかには話しながら泣き出してしまう方もいらっしゃいました。
 こどもの頃からいままで、自分のこころのなかだけで持っていた感情が、共感して聞いてくれる人の前で話すことにより興奮してしまったのでしょう。

 少し冷静になって背景を考えてみます。
★親はどもりのことが分からない?
 こどもの多くは、自分のどもりを知られたくないので家庭のなかでさえも極力隠そうとします。
特に、言いにくいことばは言わないようにします。会話も最低限のものにします。
ことばの調子の良いときに話すようにすれば、親からは「だいぶ軽くなったね、良かったね!」などと頭をなでられるかもしれません。
 これでは親は、自分の子供がどもりで悩んでいることを正確に把握できません。
*学校でいじめられているにもかかわらず、家ではそのそぶりさえ見せないで、ある日突然自殺してしまうことに似ています。

★世の中にどもりに対する正確な情報がほとんどないし、気軽に相談に行ける公的な専門機関が(ほとんど)ない。
 これが致命的かも知れません。
 せめて、同じ市町村のなかに(日常的に通える範囲に)一カ所でも良いから、吃音に精通している臨床心理士、言語聴覚士などが常駐していて継続的に相談に乗ってくれる公的な施設があれば、状況はだいぶ変わってくるでしょう。

 親を憎んでいる場合はどうすれば良いか?
★同じどもりを持つ友人(親友)を作り、いままでのことなどを打ち明けることにより、こころの中にある負荷を下げていく。
★どもりのセルフヘルプグループの会合に参加していろいろな立場(性別、年齢、育った環境の違いなど)の吃音者に接することにより、自分のどもりや育った環境を客観的に見られるようにしていく。
★自分のいまやこれからを充実していくことにより過去にとらわれない(とらわれにくい)ような状況に自分を持っていく。

 なんと言っても、自分のことをこぼせる信頼できる友人を作ることが第一だと思います。
*なんでも話せるホームドクターとしての精神科医や臨床心理士を持つことも必要です。
(参考)
家族の理解が得られない吃音者の現状(2014年11月5日)
吃音(になったの)は自分の責任ではないので「スミマセン」はいらない。卑屈にならないで!(2014年10月1日)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中