当事者にしかわからないどもりを持ちながら生きることの苦しさ(再掲載一部改編:2015年4月5日)

 日常生活、学校生活、仕事に支障が出るようなどもりを持っているか、
 または、第三者から見た程度は軽くても、自分としてはそのどもりで悩み人生に大きな影響が出ている場合はどちらも大きな苦悩を背負っての人生となります。

 多くの場合は、どもりという問題に直面している当事者でしかわからない苦悩であり、周りの人に説明することがきわめて難しい(理解や共感を得られるのが困難な)ことでもあります。
*いちばんの理解者になるはずの吃音者でさえ、気持ちを理解できないか、彼らからかけられる言葉や仕草で、かえってこころを追い詰められてしまったりすることもあるものです。

★家庭で直面する問題
 これは親兄弟や祖父母の、「どもりに対する無理解、無視」、「どもることを非難すること」 などの問題です。
 多くの場合は「悪意から」というよりも・・・、「どもりの苦しみがわからない」、 「深刻な障害とは思っていない」、 「それほど悩んでいるとは思っていない」ことで、結果として無関心となることが多いと思います。

 たとえ本人がどもりの苦しさを訴えたとしても、それを「甘え」としかとらえることができずに、非難してしまうかもしれません。
*けがでリハビリを受けていて足を引きずっている家族に対しては、普通はそういう態度はとりませんね。

 しかし、もしも、親戚などがいる前で、どもりを持つ自分の家族が顔を大きく歪ませながら絞り出すようにどもりながらことばを発する場面を見れば考え方も違ってくるとは思います。

 ・・・が、吃音者は、自分のどもりを極力隠そうとするのでなかなか理解を得られないのです。  
*何気ない日常会話では大きな問題もなく話しているような人が、電話をかけるときや受けるときに自分の名前や会社名を言おうとすると突然おおどもりになる、言葉がしばらく出てこなかったり顔を大きく歪ませながら絞り出すようにどもりながら言葉を発するのが、比較的多い「吃音者」なのです。(第三者からは軽く見えて、理解されない例です)

★学校で直面する問題
 新入学や進級の季節に、新しいクラスでは自己紹介をしますね。
新しい先生にも何回も名前を聞かれるかもしれません。
健康診断では名前を声に出して申告しなければならないかもしれません。

 当たり前にいえるはずの自分の名前が言えないことや言いにくいことは、どもりを持つ子供のこころを萎えさせるのには十分な出来事です。
*理解できないどもりでない方は、仕事や日常生活において名前や所属する組織の名前を聞かれたときに、数秒の沈黙の後に、「えーと、えーと、えーと、えーと、すすすスズキです」と言ってみてください。

★職場で直面する問題
 社会人のどもりは自分の生活(生きていくこと)に直接影響します。
人はお金を稼いで生きているからです。

 職場で電話をとったりかけるときに、数秒の沈黙の後に・・・、 「な、な、な、なのはな、さ、さ、産業です」とやったらどうなるでしょうか?
 続いて話すはずの話の内容もしどろもどろで何が何だかわからなくなってきます。
 また、会話で比較的スムースに話せていたときに、相手が不意に名前を聞いてきて同じような状況になることもあります。
*顧客から「担当を代えてほしい、仕事にならない」と言われることもあります。これが現実です。

 このような状況で次第に仕事に支障が出てきて精神的に追い込まれていき、うつ病などのこころの病になり、結果的に会社を辞めることになることも多いのです。
*現実にはこのような症状でも、生きていくために頑張らざるを得ない人も少なからずいらっしゃるでしょう。(余計深刻な事態になります。)

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 どもりの症状・重さ、それに伴う苦悩は、吃音者の成長とともに、また時間の経過とともに、置かれている社会的状況の変化などによっても大きく代わり得ます。
*季節や体調によっても大きく変わってくるという人もあります。

 小学生の頃は比較的おおらかな環境で過ごせて、どもりながらもそれなりに楽しく過ごせた(結果的に症状も安定してきたり軽くなってきた)としても、
中学に入り、いじめに遭った、ひどいからかいにあったことで深くこころが傷つき、症状はもちろんメンタル的に重いどもりになって不登校になってしまうということも十分にあり得ます。

 なんといっても、「学生から就職活動、そして就職」の頃がいちばん大きな節目になります。
 (職種にもよりますが)仕事では話すべき時に話さなければいけないことを話すことをあたりまえに求められます。
自分がどもるという事実から逃げることができなくなります。
*私自身の経験としてこのブログに何度も書いています。

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 それでは、どのように自分のこころと体を守っていけば良いのでしょうか?
 これは、吃音者それぞれのどもりの重さや症状、また、生きている環境(精神的・経済的)によっても大きくその心構えや方法が違ってくるとは思います。

★世の中の公的・私的サポートを最大限利用することです。

 こころを守るため、こころの健康管理のためには、自分のことを何でも話せるホームドクター的な精神科医や臨床心理士が必要です。
(都道府県単位である、「精神保健センター」も役に立つと思います)

 家庭内で理解を得られないどころか、家族からどもるたびに怒られている、
 学校でいじめにあっていても先生が動いてくれない、
 職場で嫌がらせを受けたりする
  そのようなときなどには、市役所、ハローワーク、労働基準監督署、弁護士会、法テラス、保健所、児童相談所、警察署、いのちの電話などの公的・私的なサービスを最大限利用して自分を守りましょう。
 子供の場合には、学校の通級課程である、「ことばの教室」を利用することもできますね。

★自分で工夫・努力をして、こころの逃げ場、安心して自分の心のなかを出せる場所や時間を、いま生きているリアルな空間やサイバー空間(ネット)に作り出すことです。
 どもりのセルフヘルプグループに参加して安心して語り合える友達を作る。これだけでもこころは大きく救われます。また、いろいろな情報も入りやすくなるでしょう。

 自分でブログ等を作り(トラブルに巻き込まれないように匿名が良いですね)ネット上の友達を作る。

 このように、いろいろと工夫しながら、そして同じ悩みを共有する友を作り、孤独になることを防ぎつつ、少しずつでよいので頑張っていきましょう。

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