吃音者のバックグラウンドを単純化する(再掲載一部改編:初掲載は2008年6月3日)

 (ある程度より重い)どもりを持っていることで、電話ができない、仕事がうまくいかない、就職ができない、学校に行けなくなった・・・など、深刻な問題を抱えておられる方はかなりの数いらっしゃると思います。

 そのような苦しい想いを抱えている方は、どもりの悩みについて相談できる人がいない場合が多く、家族にも自分の悩みを理解してもらえない状況下で、学校や職場で、また、自分の部屋で、ひたすら苦しさに耐えています。

 そのような方のなかには(かつての私がそうであったように)苦しさに耐えかねて引きこもったり、登校拒否や出社拒否になって人生の先が見えないどん底のなかでもがいている方がたくさんいらっしゃいます。

 それほどの問題である「どもり」が、世間一般に「深刻な問題」として認知されて適切な公的サポートが行なわれないのは、深刻な事態に陥っているケースほど話が地下に潜るからです。
(家庭内の恥というように)家族内で処理してしまい外の世界に情報が伝わらないのです。

 もしかしたら、今この時間にも、そのような境遇の方がひとり部屋の中でこのブログを読んでおられるかもしれません。(大卒後に引きこもってしまったかつての私もそうでしたが、その頃はまだインターネットはありませんでしたので完全な孤独でした。)

 そのような方が「どもりを治そう」と考えることはごく普通のことです。
(「なんとかしよう」という気持ちすら、なくしかけている方もいらっしゃるでしょう。)

 「言葉の治療」をすることにより解決しようと考えることはあたりまえのことですが、そのあたりまえのことができない、つまりどもりを確実に治せる方法「投薬」や「手術」が存在しないのが現実なのです。
 そこで、どもりで悩んでいて、「どうしたらよいか分からず悩んでいる方」に、はじめの一歩として是非行なっていただきたいことがあります。

 自分のどもりのバックグラウンドを構成しているところの「家庭環境、学校や職場環境、友人関係」などを総点検して、どもりを維持し悪化させている要因を除去していただきたいのです。
 それだけでも、悩んでいる心がだいぶ楽になってきます。ものごとを良い方向に進めていくことができると考えるのです。

 今まで引きこもっていた方が、一足飛びに、「働こうとか、学校に行こう」とは思えないまでも、「ちょっと外に出てみよう、旅行に行ってみよう、学校は無理だがフリースクールに行ってみよう、働かないまでもボランティアしてみよう」などと思えるようになるために・・・・

 家庭内で、職場で、学校で、自分のどもりの理解者がひとりもいず孤独になっている方・・・、
 まずは、試しに、ネットなどで、自分の住所から近いところに、言語聴覚士のいる施設(病院やそれに準ずる施設に配置されていることが多い)があるかどうか調べてみてはどうでしょうか?
 または、精神科医、神経科医のところに駆け込んでも良いと思います。

 私の場合は精神・神経科の病院に駆け込みました。
 (私が引きこもった頃は80年代の後半なので、まだ、言語聴覚士などの存在すら知らりませんでした。注=ちなみに言葉を治療する資格が言語聴覚士という形で国家資格化されてまだ10年程度です。日本は大変後れています。)

 東京圏に住んでいる私にとっては、大学病院から個人病院まで選択肢は広かったのですが、幸いなことに、かかった中堅の病院は、青年期の心の病について定評のある複数の精神科医やカウンセラーがいるところでした。

 セルフヘルプグループなどに行くという選択肢も考えられますが、どもりで精神的に追い込まれていて「どうにかなってしまいそうだ」という方ほど、それらにダイレクトに行くことはお勧めしません。
 なぜならば、それらに行くことにより、かえって「心が傷ついてしまう心配」があるからです。
 セルフヘルプグループはどもりを持っている人たちの「自助会」であり、とても良い会ですが、カウンセリングの専門家や精神科医などの心の専門家がいるわけではありません。

 民間のどもり矯正所を考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、これは全くおすすめできません。そのほとんどが(医師でも、臨床心理士でも、言語聴覚士でもない)自らどもりを経験した方が自己流の方法でどもりを治そうとしているところだからです。

 「どうにかなってしまいそうなほど悩んでいる方が受けるべき助言」は、まずは心を落ち着かせて、どのように対処していこうかと考えることのできる心や生活上の環境の構築です。

 場合によっては精神科医に精神安定剤などを処方してもらう必要があるでしょう。
 家族にもなかなか自分の想い・悩みを話せない場合でも、医者から家族に客観的に説明してもらうこともできます。

 少し落ち着いてから、精神科にかかりながら・・・、言語聴覚士にかかったり、セルフヘルプグループを捜し、また、(私はまったく勧めませんがどうしても行ってみたければ)民間の矯正所に通うという段取りを踏むべきです。

 どもりに理解のない家族でも、きちんと段取りを踏んでいけば一定の理解は出てくるでしょうし、それでも家族の協力が得られないような「機能不全家族」ならば、それはもう家族自体の危機的な問題ととらえて、市役所や保健所などの公的施設に相談して「家庭の問題」も解決する必要があります。

 学校や職場で、どもることでいじめを受けているのならば絶対にがまんせず、先生や職場の上司や親も信頼できないのであれば、弁護士会、法テラス、市役所、警察、児童相談所、いのちの電話等々に相談する方法もあります。

 ひとりで悩んでいると、どうしようもなく深いところまで落ち込んでしまい、「死んでしまいたい」などと思いがちです。
 あたらしく第一歩を踏み出すのは勇気が入りますが、今はインターネットも携帯電話もあり、自分の部屋からダイレクトに世界中の人や専門家・公的機関に連絡が取れることを忘れないでください。
 まずは、温かいミルクでも飲んで落ち着いてから第1歩を踏み出しましょう。

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