吃音と人生の優先順位(再掲載一部改編:初掲載は2007年10月23日)

 どもりは2~3歳くらいで発症することが多いといわれていますが、今回は、そのどもりを持った人が人生のなかで「どもり」をどのように位置づけているのかを考えます。

 さて・・・、
 子供のころに、「どもりは大人になれば自然に治るから心配するな!」という慰めの言葉を言われた人は多いのではないかと思います。
就学年齢前(小学校に入るころ)までならば、どもりの自然治癒は、高い確率であると言われているのでまんざら嘘ではないのですが、それ(就学年齢)以後に親がこの言葉をかけることは、どもりを持った子のその後の人生にどもような影響を与えるのでしょうか。

 思春期の子供は、勉強、クラブ活動、そして恋・・・など大忙しです。
 そのようななかで、将来を考えながら迷いながら生きている子供が、さらに「どもり」という障害を持っていることはとても辛いことです。
そのようなときに、「そのうちに治るよ」という言葉は藁をもつかむ思いの子供には魔法の言葉に思えるかもしれません。

 「自分は今はどもっているかもしれないがそのうちに治る。だから治ることを前提に、我慢しながら勉強やスポーツを頑張って好きな方向に進んでいこう。バリバリしゃべる仕事に就こう。」、という、子どもなりの人生設計をします。
 でも、中学に行っても、高校生になっても、大学に進んでも、どもりがよくなるどころか、かえってどもりによる苦労がますます大きくなってくる場合もあります
*なかにはあまり気にならなくなる場合もあります

 それでも学生のうちはなんとかなります。
 就職が近づいてきて、そこで改めて「どもりが治っていない自分」を見出すわけです。

 小学生くらいの子供に、不用意に「どもりは治らないかもしれない」と言うことは、どもりを気にしている子供ほど言うのはためらわれるし、危険でもあります。
*言う側との信頼関係と、それ以後の継続的なサポートが必要です。言いっ放しは最悪です。

 思春期に入り、中学生・高校生くらいになれば、自分の将来のことを真剣に考える必要が出てきますので、人生設計を間違えないように、「どもりの研究・治療体制の現状」をきちんと説明してあげる必要があるでしょう。
「もしかしたら君の(症状としてのどもり)は今後も治らないかもしれないので、それを踏まえた上で人生設計をするように」とアドバイスしてあげるべきです。
*小中学校の「ことばの教室」は、どもりに対して真摯に取り組んでいるのでしょうか?
スタッフは普通の先生がやっているようですが十分な研修がなされているのか?どもりに通じた言語聴覚士、精神科医や臨床心理士、大学等のどもりの研究者などのスーパーバイザーからなる適切なバックアップ体制ができているのでしょうか??(できていないと思います!!)

 アドバイスする人のなかには、「どもりであるかないかはそれほど就職や面接には影響しない」、という方もいますが、現実にはそんなことはありません。
*公務員はともかく、民間企業は「儲けてナンボ」の世界ですからね。

 採用する側からいえば、「仕事に支障が出なければ(仕事ができれば)どもりであるかないかということは関係ない」、ということです。
 実力で(自分で)面接が申し込めて採用される場合はともかく、有力者などの「コネ」で、必要とされる話し言葉のレベルが高い職場に(無理に)就職してしまうと、どもりを持った人はたいへんな苦労をすると思います。
*面接時にたまたまことばの調子が良くて採用されて(しまった)、というケースも悲劇になることがあります。

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