吃音:学校をやめる、会社をやめるという選択は (再掲載一部改編:初掲載は2012年12月4日)

 4月に掲載したばかりですが、学校や会社にに入って1ヶ月たった5月という今の時期ですので再掲載します。
*学校や会社に通えなくなってしまった。結局就職や転職できずに浪人中という吃音者の方も多いと思います。
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 ある程度よりも重いどもりのために学業や仕事に支障が出てきて、
「学校をやめる」、「会社を辞める」ということは、吃音者の間では良く聞かれることです。
*80年代末に大卒後も就職できずに民間のどもり矯正所に通っていた私の経験では、同じ民間どもり矯正所に通っていた学生が中途で大学や専門学校をやめるのを見るたびに、とても残念に、また、悔しく思ったものです。

 吃音者本人から「学校をやめたい、会社を辞めたい」と聞かされた家族はたいていは猛反対します。
 「なんでやめるんだ!」という話しとなります。

 一生懸命に、「どもりで苦しんでいる」と説明したとしても、たいていは、「その程度のことでやめるとは何事だ」と怒られるでしょう。
残念なことですが、家族でさえも、どもりという障害についての認識はその程度です。

 私が大卒後に就職できずに民間の無資格どもり矯正所に通っていた80年代末ごろは、どもるために学校をやめたといっても多くは専門学校や大学だったように思いますが、今はどうでしょうか?

 昔とは明らかにちがう陰湿ないじめにより、「不登校」そして「引きこもり」にまで至っているどもりを持った子供は多いのではないでしょうか?
 そのような例があったとしても、学校側が十分にサポートしているかといえば、はなはだお寒いのが実態ではないのでしょうか?
*どもりに精通していない人が中途半端なアドバイスをすれば、かえって状況が悪化することさえあります。

 社会人の場合では・・・、
 いまのことば(どもり)の状態で(実力で)入れるところに就職せずに、いわゆる「コネ」で就職した場合ですが、話すことの能力が低いのに(自分のどもりの重さと職場で要求される話し言葉によるコミュニケーション能力の差という意味です)企業の営業系や事務系に入ってしまった場合には、それはもう悲劇です。
 有力者のコネで入った場合には会社側も文句が言えませんので、本人そして会社側にとって二重の悲劇になりかねません。

 たとえ実力で入ったとしても、面接時に比較的言葉の調子が良くて運良く(運悪く?)入った場合には、入ってからの苦労がたいへんなものとなります。
*よくある話です。

 しかし、どもりの症状や重さも時とともに複雑に変化しますし、また、吃音者を取り巻くまわりの状況も刻々と変わってきますから、悪い状況にあった方が結果的に良い方向に進むということもあります。
 その「うまくいった例」を持って、「〇〇さんはどもりを持っていながらも歯を食いしばって頑張った、だから〇〇になれた。あなたもがんばれるはずだ!」などということは、いまどもりで困っている人をさらに追い詰めるだけになりかねません。

 いまの厳しい経済・社会状況を考えたときに、学校においても、職場においても、吃音者にとってはかなり生きづらい毎日を過ごしていることと思います。

 特に陰湿ないじめにあっていて有効な解決法がない場合には、また、「自分のことばの能力でいまの環境では、努力しても生きていけない、自分のこころを追い詰めるだけだ」と分かった場合には、転校や転職など、環境を変えることを「戦略的」行なうべきです。
*戦略的というのは「とことん追い込まれて突然やめる」というようなことをしないで、次の準備をしつつ自分の決断で良い時期にやめると言うことです。
いまという時代背景を考えると、「ただ我慢、我慢」では、良いことはないでしょう。

 転職・転校などの大きな判断をするには・・・、
★家族のどもりへの理解があること(子供の場合はもちろん社会人の場合も)
★転職の場合は、しばらくの間無職でいられる蓄えがあるか、アルバイトでしのいでいけるこ
 と(社会人の場合)
 などの条件が必要です。これはたいへんに重要なことです。

 学校に通っている年齢帯の場合は、フリースクールという選択肢や、大検という選択肢もあるでしょう。通信制の学校もありますね。

 社会人の場合は、主に体を動かす農林水産業などへの転業、収入は大きく減っても都会から田舎へのアイ・ターンなど大胆な変更も考えるなどの柔軟性も必要でしょう。
*いわゆる都会でのサラリーマンがもはや安定職でないことは、おわかりのことと思います。

 これらの判断をするために、人生の危機管理のためにも・・・、普段からなんでも気軽に相談できるようなアドバイザー(ホームドクター)としての、臨床心理士や精神科医、言語聴覚士を見つけておくことが必要です。
 また、これがいちばん重要かもしれませんが、「なんでも話し合えるほんとうの友達(親友)」をひとりで良いので見つけておくことも必要です。
*どもりのセルフヘルプグループへの参加もとてもよいことです。

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