生活のためにどもりながらも働いている方の現実的な問題(たびたび再掲載一部改編:初掲載は2007年10月14日)

 私たちは、生活のためには(家族の生活を支えるためには)、それぞれの家庭の状況に応じてそれなりの収入を得なければなりません。
そのために、仕事に支障があるくらいの重さのどもりを抱えながらも、しゃべることが当たり前のように要求される事務系・営業系の職場で働いている方がたくさんいます。

 不安を抱えながらも(内面では苦しみながらも)、結果としてなんとか電話ができる、仕事上の折衝ができる(つまりなんとか仕事をこなせる)くらいの方ならばともかく、
どもることにより業務の流れに支障が出るくらいの(電話がうまくかけられない・出られない、出たとしても実務レベルの会話ができないかできにくい)場合は、職場にいても毎日が不安でたまらない、ストレスの固まりのような毎日を送っておられる方が日本には大勢いらっしゃると思います。
*クビにならないまでも職場や担当の変更をされたりする場合もあります。そもそも強力なコネで入社しない限り営業職・事務職では採用されないことが多いと思います。

 もしかしたら、電話をとれない(とらない)自分に代わり、どもらない人が代わりに取ってくれているかもしれません。
 しかし、民間企業でリストラが一段落した後の職場は必要最小限の人数ですので、忙しいなかで自分の仕事を中断して代わりに電話を取ってくれる状況では、どもる本人はそのたびに申し訳ないような気持ちになり、いたたまれません。(嫌味を言われることもあるかもしれません。)

 そんな、つらい毎日を過ごしつつも、生きて行くためにはその職場に居続ける必要があるのです。
切実な気持ち、「いっそ死んでしまいたい・・・でも死ねない。」 こんな毎日を過ごしておられる方がどれほどおられるでしょうか。

 そのような方々が、「少しでも言葉を流ちょうにしたい」と思うのはごく当たり前ですね。

 しかし、それに対応する公的な施設は事実上ありません。相談に乗ってくれる訓練された専門家(言語聴覚士・精神科医など)も事実上存在しません。
*日本に数カ所、数えられるくらいあったとしても、それはないのと同じことです。
*少し前の書き込みでも書いたように、精神科医はどもりの知識はなくても心の専門家ですので、こちらから、どもりの心理状態や困っていることを詳しく説明すれば自分の専門的な分野からできる限りの援助をしてくれます。「死んでしまいたい」とか「学校や会社に行けない・行きたくない」というような心理状態になっている場合は、いや、そうなる前に、我慢せずに、それらの専門家の援助を受けてください。

 どもりの苦しみで追い詰められたあげくに、相変わらず存在する「民間のどもり矯正所」に駆け込む人が数多くいると思います。21世紀を迎えてしばらくたつ日本においても、30年前40年前と同じ状況が続いているのです。
*いまでは、大金を出して民間無資格吃音矯正所に通わなくてもセルフヘルプグループがあります。セルフグループに参加することで同じような仲間がいることを知り心が救われることは大きなことです。また、民間の矯正所の情報もその仲間から得ることができます。仲間うちで言語訓練や心理療法のまねごとのようなことをして、結果として就職ができたり、引きこもりから抜け出すことができている例もたくさんあります。(自己流は不確実で、ある意味での危険性もありますが、これくらいしかないのが現状です。)

 そのような、どもりで苦しみ抜いて「曇りガラスに爪を立てて引っ掻くような毎日」を過ごしている方に対して何ができるだろうか?吃音者どうしでお互いに助け合うことができるだろうか?
 それに応えていくための具体的かつ組織的な方法が問われます。
*書いているだけでも、かつての自分を思い出して手が震えてきます。

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