吃音と抑圧された心(再掲載一部改編:2010年6月15日)

 ごく軽いどもりの場合は除いて、日常生活や学校生活にはっきりとした影響が出るくらいのどもりを持っている子供は・・・、子供のころからの「どもること」による、「敗北感」や「嫌な気持ち」を日常的に味わうことにより、どもることに起因する失敗の記憶とともに、こころのなかに「こころの疲れ」が確実に蓄積されていく場合があります。

 さらに、子供の頃(どもり始めた頃~思春期くらいまで)の家庭環境が悪い場合、
 たとえば、家庭内での家族(夫婦、親子、祖父母と親など)の度重なる感情的なけんか、感情的なもつれ、親の子供に対する過剰な厳しさや、権威主義的な雰囲気・・・、もちろん、どもること自体を嫌悪するような言葉やどもる度に言い直しを強要することなどがある場合には、どもりの悪化や深化を助長することは、こころや言葉の専門家でなくても容易に考えられますし、間違いないことでしょう。
*「環境」が、どもり始める原因でないとしても、固定化、悪化させるための要因とはなり得るでしょう。

 人間は、機械のように、電源を切ってしまえばつらいことや覚えていたくないような経験をこころの中からきれいに消してはくれません。
 時間がたてば薄らいでくるようではありますが、同じような場面に出くわすと以前の場面がフラッシュバックすることもありますし、深夜や早朝のまどろんでいる時間に、突然つらい記憶が映画を見るかのようにフラッシュバックすることもありますね。
個人差はあるでしょうが、どもることにによる様々なつらい思いが一定限度を超えると、こころや体の不調、そして病気としてはっきりと現れてきます。
参考:吃音とそれに耐える心の閾値(しきいち)について

★抑圧された心が悪さをすることとそのタイムラグ
 転んだりして怪我をすればリアルタイムに結果が出ますが、こころの場合は少し時間をおいて体やこころに具体的な症状として出てきますので自分では管理しにくいものですし、はっきりと症状に出てきたときでは自分ではどうしようもできないほど深刻になっていることがあります。

 そこで、(何回も同じようなこと書いていますが)
★「自分のどもるうえでの嫌な出来事やつらい思い」をそのまま話せる、話し合える親友を持ちましょう、見つけましょう。
★限度を超える前に、早めに精神科医にかかりましょう。
★「必要に応じて、どもりの臨床経験豊富な専門家にかかり適切な言語訓練を受けましょう」・・・と言いたいのですが、日本においてはそういう専門家を見つけるのはきわめて難しいのが現状です。
その代わりとして、何回も書いているところですが、吃音仲間でグループを作り試行錯誤をすることが良いと思います。仲間うちで工夫して言語訓練、その他いろいろのことができますが、「言語訓練」の効果よりもむしろ仲間といろいろ語り合っていくうちに「元気が出る、動き出そうと思えるようになる」という大きな効果をもたらします。

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