吃音者のために今すぐできることと、10年後50年後を見据えてすべきことを分けて、冷静に考える必要があります(再掲載一部改編:2008年2月18日)

 今回は・・・、
 悩んでいる吃音者のためにいますぐできることと、10年後、30年後、100年後を見据えてできること、を考えてみます。

 吃音者には、
★どもりを持っていて、現在、苦労のまっただ中にいる方、
★また、かつてはとても苦労したが今はそれなりに人生が安定している方、
 など、それぞれの人の立場があり、それぞれの「どもり」についての想いがあります。

 自分の今までの苦労を「こぼし話」としてする場合もあれば、
 自分の人生が安定してきたところで、同じどもりを持つ人のため(後輩)にということで、どもりの人たちを取り巻く環境についてあるべき姿を探っておられる方もいらっしゃるでしょう。

今すぐにでも、やる気さえあればできることは・・・、
とりあえずは、
★子供が安心してどもれて、どもることの悩みをこぼせる場所や時間の確保(学校のことばの教室や専門の公的相談治療施設の質・量の充実)
★どもりに関する正確な情報、つまり、学問的にどこまでわかっていて、信頼に足る治療法は存在するのか? などを、どもりで悩んでいる本人や親御さんに広く知らせることが必要です。
*現実にはそれすらできていないと言うことです。
 
 また、ネット上に氾濫しているインチキ情報を止めて(止められないならば、正確な情報をきちんと提供して)、
「どもりが治りさえすれば〇〇できるはずなのに」などと、バーチャルな世界に逃げ込まなくても、いま生きている現実の世界で自分なりに力強く生きていけるようにしなければなりません。

 どもりを持っている子供は、学校の中ではもちろん、家庭の中でも心からくつろげないことがあります。
家庭の中の普通の会話でもどもってしまうからです。
 家族が、どもりながらも一生懸命に話そうとする子供を自然に受け止めてあげて、言葉に関してはゆったりとした環境を作ってあげることが必要です。
*家庭内で腫れ物をさわるように育てたり、甘やかすと言うことではありません。

 家に帰ってもどもりを注意されたり、言い直しをさせるような緊張を強いるような家庭では・・・、
「どうせ自分のどもりのことなどはわかってもらえない」と思い、自分のことを語らなくなってしまう恐れがあります。

 今稼働している公共のサービスを充実させることも大切です。
*公的機関は我々の税金で運用されていますので、常に注目し問題があれば意見を言わなければいけません。

 学校の「言葉の教室」やその他どもりの人のための公共のサービスの内容を総点検し、クライアント本位のプラクティカルなものへと変える必要があります。
 それらの施設の指導者には、心理学的知識、言語障害の知識、そして、カウンセリングの訓練を受けた、経験豊かなプロを採用する必要があります。
*と言っても、言語障害や心理学の領域を大学(院)で学んだ言語聴覚士や臨床心理士で、(子供からおとなまでの)どもりの臨床経験を積んだ専門家は、日本では非常に少ないのではないでしょうか?これが、どもりを持ちながらも自分なりの方法でしのいで生きてきた人の専門家不信をよんでいることも確かなことです。(アドバイザーとしての、「どもりを持ちながら社会で生きているおとなの方の生の意見」も必要です。)

次に、中・長期的視点に立った考え方です。
 中長期的な観点で言えば、医学部や公立の研究所などで、どもりの治癒を目的とした本格的な脳の研究を国際的・学際的に行なっていく必要があります。
 どもりは「言語障害」ですから、日本でも、医学部や大きな病院・研究所で先端的になされているかと思えば、現実にはそうではありません。

 主に、教育学系の学部の「障害児教育」などと言うセクションでごく細々と研究されているに過ぎません。
 これでは、日本と比べると遙かに本格的に研究されているアメリカの追試的な研究をするのがやっとであるのも仕方がないことですね。
 どもりの研究そのものが大学内で注目されるものではなく、それによって先生方が評価されるわけでもない「隙間産業」的なものであれば、研究費もなかなか出ないでしょう。

 そのような状況を変えていくには・・・、
「どもりという深刻な問題が世の中にはあり、悩んでいる人はたくさんいるということ。」
「どもることによって不登校になったり、引きこもりになったり、就職ができなかったり、鬱病にまでなる。そして、失意のうちに自殺する方までいる」
 という現状を、広く知らしめなければなりません。

 まずは、個人レベルでできること、
★身近な友人に自分のどもりの苦労話を話すこと。
★インターネット上(ブログ、facebook、など)で吃音者の現状を訴える・・・
 など、できることから始めることが大切ですね。

 吃音者と、吃音を研究する大学や研究機関・言語聴覚士などとの間にある距離というか、連携不足も大きな問題です。
両者には意外なほど接点が少ないのが現状で、どもりの人の側からみれば研究者は何をしているのかわからないし、「21世紀になって、脳の研究がにわかに進んできたなどとTVなどで騒いでいる割にはたいしたことないな」と感じてしまいます。

 長期的視野にたった医学分野での本格的研究(学際的、国際的)と同時に・・・、
現実的に言えば、吃音者に対する効果的なカウンセリングや言語訓練の研究と言語聴覚士に対するトレーニングも必要でしょう。
*それには、どもりの研究に携わる大学や研究所の研究者や、街のなかのクリニックで相談や治療に携わる言語聴覚士が専門領域で安定した生活ができるようになり、どもりの研究や治療をすることにより周りから正当な評価をされるようにしなければいけません。

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