「人生経験・年齢・症状の重さ・苦労を経て到達した境地」などの違いによる吃音観の大きな差と、それを踏まえた上で後輩にアドバイスする際の注意事項(再掲載一部改編:2008年3月20日)

 あるどもりを持った人が、子供の頃より大変な苦労をしつつ大人になり社会人として年齢を重ねたとします。
そして、「どもりの先輩」として後輩(現在の若者)に様々なアドバイスをする場面を想定してください。
(アドバイスするほうの方は、サラリーマンだろうと、言語障害を専門とする教授だろうとそれは問いません。)

 たとえば、高度経済成長の時代(昭和30年代後半~50年代)に学生時代を経て社会人になったような年齢の方が、いまの少年にどもりについてのアドバイスをすることを考えてみます。

★まず違うのは、決定的な年齢の差
 若い頃のことを思い出そうとしても、それは自分にとって都合の良いことを中心に思い出し、都合の悪いことは無意識のうちに覆い隠しているのが普通の人間です。
 自分のどもりの症状は実際よりも重く説明し、そして、それをいかに軽くしたかの自慢話(説教)になりがちです。

★時代背景に決定的な差がある
 どもりを抱えながら就職した苦労話をするにしても、30年前と現在では、仕事の形が違いすぎます。
 それでも、現在でも企業の中で現役で働いている方ならば、世界の動き、そして企業や仕事、働き方についての大きな変化を感じ取っておられるでしょうからそれなりに正確なアドバイスをすることができますが、概してトンチンカンになりがちです。

★「いまの自分の境地」の押しつけになってはいないか?
 長い時間を経て自分なりに到達した境地、それは「どもりの克服」という言葉でよく表されますが、「克服談」は一歩間違えば古くさい精神論になりかねません。
 ボランティア的な立場で後輩にアドバイスするにしても、カウンセリングをする際のいろいろな注意事項(たとえばアサーションなど)はきちんと勉強すべきでしょう。

★症状だけでもないし、環境だけでもない
 どもりの症状をとるべく、様々な治療?やカウンセリングを受けたとしても、それだけではないことは、どもりの皆さんならば痛感されていることでしょう。
 ひとつひとつのケースについて、生育歴から家庭環境・学校環境、そしてどもりの症状まで違うわけですから、心理学的領域から、また、言語障害学の領域から、また、教育学の領域からも「学際的なアプローチ」が求められることは言うまでもありません。

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