素直に吃音に悩み、吃音にこだわることの大切さと怖さ、また、素直にこだわれる・悩める環境をどうやって作るか(再掲載一部改編:初掲載2011年2月)

日常生活に支障が出るようなある程度より重いどもりをもっている人は、朝起きてから夜寝るまで(場合によっては夢のなかまで)誰かと話すごとに自分がどもりであることを意識(させられ)ます。
*独り言でもどもる方もいらっしゃいます。

「どもりにこだわらない生き方」を説く旨もありますが、乱暴な言い方をすれば、こどものころから日常生活に明らかな支障が出るくらいの重さのどもりを持っている場合は、たぶん無理でしょう。

無人島に流されてひとりで生きていくならばともかく、現実には、人は、家族、同級生、同僚などの他者とのコミュニケーションを絶えず取りながら生きているので、どもるたびに「ああ自分はどもりなんだ」と意識させられますし、無意識の世界までそれは広がってしまいます。

民間企業や役所での一般的な仕事(営業や事務などの仕事で電話や面と向かっての交渉や会議をあたりまえのようにこなさなければならない)をする場合に、日常生活の何気ない会話でコミュニケーションに支障が出るくらいの重さのどもりを持っている場合は、(いまの経済情勢や雇用状況を考えたときには)、自力での就職はたいへん難しいと思います。
どうしてもということになると知り合いや政治家のコネを利用するなど何らかの圧力を利用することになりますが コネを使って「ことばの面で実力以上の職場」に入ってみても、家族にとってはとりあえずの安心材料になるかもしれませんが結果として本人を苦しめるだけになりがちです。
*かつての高度成長やバブル期の日本でしたら職場に余裕がありましたので寛容な部分がありました。しかし、いまでは限られた人数で人数以上の働きをしなければいけないために、どもりを持っている人にとってはますますきつくなっています。

かつて高度成長の中盤頃(1970年代の前半くらいまででしょうか)までは、見えざるセーフティーネットがありました。地域や親戚という枠でのそれです。
どもりを持っている人には、「家業(農業、漁業、を含む)を継ぐ」、「親戚や知り合いの会社に入れてもらう」などというセーフティーネットです。
しかし、経済構造が大きく変わった今日、それらの業種は大変不安定で安定した生活を送ることができない場合が多いのです。

吃音者はことばこそ苦手ですが、その他の能力は普通ですし、なぜか努力家や性質が良い方が多いようです。
急速な高齢化の進行で労働力の不足が言われている今日、企業や役所は、吃音者を含む障害者を「ことばをメインに使わない部署で積極的に採用する」ことを、あたりまえのように行ってほしいものです。

さて、子供の頃からある程度の重さのどもりを持ちながら生きてきた場合において、両親を含む家族がどもりへの理解が少ない(多くはそうでしょう)か全くない場合、
さらには、家族がどもるごとにあきらかにいやな顔をする場合に至っては、悩みをぶつける場が全くない吃音者の心は大きく内向します。
*暴力的な方向に爆発する場合もあります。

そうなると、かつての私のように、自分のこころのなかに「もうひとりのどもらないバーチャルな私」を作り上げて逃げ込むしかなくなります。
これは自分の心を守る精一杯の防御反応ですが、こういう生活を続けていると最終的に至るのは、うつ病などの「心の病」です。
心の病は回復に時間がかかりますし、治ったか治らないかよく分からないようなところもあります。
余計な苦労はこれからの方にはしてほしくありません。(どもりで苦労しなくても人生を送る上での苦労はてんこ盛りです。)

「どもり」をいま悩んでいる自分たちの問題としてだけでなくて、これから生まれてくる「どもりで悩む人」のためにも、
まずは、「素直にどもりにこだわれる・悩める環境を作ること」が第一です。

それには、人が生きていく最小限の単位である家族の再教育が必要です。
育て方に問題のある家庭に強力に介入できるシステムの構築が必要となります。
*子供の虐待の問題においても同じことが言えます。虐待の通報があった後には、速やかかつ強力に親権を制限したり停止して親から隔離しておけば殺されなくて済んだ子供はいくらでもいるのに、間違った人権感覚や役所側の不作為が悲劇を生んでいます。行政の態勢(専門官の人数やかける予算を増やす、法律を改正し問題のある家庭には警察の強力なバックアップのもと速やかに介入できるなど)を根本的に見直さなければなりません。

学校においては、先生やクラスメイト全員が吃音問題について十分に理解し、どもりを持つ子供が必要以上に傷つかないように配慮するなどということは事実上不可能ですから、
★ある程度の逆境に耐えるられるように、
★また、不登校や自殺につながる危険性を持つ陰湿ないじめなどには速やかに効果的な対策がとれるように、
先生ではない(学校関係者ですと立場を守るためにも組織を守ることが第一とならざるを得ないでしょう)学校からは独立した権限を持つ心の専門家やソーシャルワーカーその他の専門スタッフによる強力な支援体制が必要です。

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