吃音者(児)に対する対応を間違えないためにも、どもりの重さについて考える(その1:軽いどもり、その2:もう少し重い場合は) 再掲載一部改編:2012年3月20日~21日2回分のまとめ

(その1:軽いどもり)
吃音者は、どもることによりいろいろな苦労をします。
しかし、その苦労は、どもり重さの違いにより天と地ほどの違いがあります。

その「重さの違い」が吃音者間の無用な軋轢を生み出したり、どもりの子供を持つ親の対応を誤らせたり、自分の学級にどもりの子が入ってきた場合の先生の対応を誤らせる原因となります。

軽いどもりの一例(軽いどもりと言っても実に様々です)
たまにある言いにくい言葉(どもってしまいそうな言葉)を「言い換える」ことにより対応できるくらいの重さで、あとはほとんどコミュニケーション上の問題が出ないような軽い吃音者は、それこそ問題がないように思われるかもしれませんが、こんな例もあります。
第三者から見て饒舌で、とてもどもりなどは思えないような人、でも本人は子供の頃から自殺を考えるほど深刻に悩んでいた。
どうしてかというと、自分の名前を言おうとすると、きまって大きくどもってしまいなかなか出てこないのです。

ちいさな子供は、名前や年齢をを聞かれるのが日課です。
うまく答えられると、「かわいいわね!」とか「お利口さんね」とほめられます。
すると、その子は満足したような笑いで応じます。ごく普通の光景ですね。

しかし、名前を聞かれても答えない、年齢を聞かれても答えないのでは、聞いた方は褒めようがありませんね。
「ちょっと緊張しちゃったかな」などとお茶を濁すほかはありません。

ヒステリックなお母さんだったら、聞いた方が帰ったあとで、自分の子供に「なんで名前を言わなかったの?」と注意するかもしれません。お母さんの面目丸つぶれ、というところでしょうか。

もちろん、その子は名前を言いたくなかったのではなくて言えなかったのです。
小さな頃からこんな経験ばかりをしていると、周りにいる人(家族)の言動や対応がせっかくの自然治癒の可能性を小さくする方向に持って行ってしまっているかもしれません。
どもりをその症状以上に神経症的なもの(根の深いもの)に深化させてしまっているのかもしれません。
次回に続きます。
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(その2:もう少し重い場合は「小学生の頃からのどもり」)

前回からの続きです。
もう少し重いどもりになってくるとどうでしょうか?

小学生くらいで、家庭内や友達との何気ない日常会話では、ちょっとはどもるが大きな問題はないくらいでも、学校の授業中に先生から指名されて答えるときや指名されてひとりで教科書を読むときなどに、定期・不定期に大きくどもってしまう場合、最初の言葉がなかなか出てこないような難発性のどもり、また、ことばを繰り返してしまう(例、ぼ、ぼ、ぼくは・・・)ような連発性のどもりが、日常的、または、条件によって(季節、体調etc)はっきりと出てしまうくらいの子供の場合は苦労がより大きくなります。

これくらいの場合は、何気ない日常会話では支障がないことが多いので、家族や先生からは「軽いどもり」と思われてしまいます。
家庭内や友達との日常会話では、どもりそうだったら話すのをやめれば良いですし、特に言葉の調子の悪いときは話すのを控えることができますので、親兄弟や第三者には、その子のどもりがどの程度でどれくらい悩んでいるのかということが全くといって良いほど理解されないのです。

しかし、授業中の発言や教科書のひとりでの音読は、決められた言葉を発さなければいけないのと、クラスメイトが聞いているところで声を出さなければいけないという2つのことから、心理的なプレッシャーも加わって結果的に大きくどもってしまうことになるのでしょう。

こんな日々が繰り返されることは多感な子供には屈辱的な経験でしかなく、ましてや、いまの学校の子供の人間関係は20年前30年前のものとは大きく違っていて陰湿ないじめが地下深く潜って行われています。
このような場合は、とてもひとりで解決できる状況ではありません。誰かのバックアップなしに乗り切っていくことは不可能です
*それにしても大津のいじめ自殺以降もいじめによる自殺がなくなりません。教育委員会、PTAをも含む学校制度の根本的な改革を本気になって行わないと、これからもこどもが自殺し続けるでしょう。

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