吃音:幼少時からの親子関係・家庭環境がもたらすもの

鎌倉 円覚寺

鎌倉 円覚寺

どもりを持っている自分が生きていくなかで、同じように「どもり」を持つ方々と接してきて感じていることなのですが、
ある程度仲良くなり真摯に話し合えるおとなの吃音者のなかに、自分の幼少期の話題になると急に寡黙になる方が少なからずいらっしゃいます。
吃音について、一般論は実に多くを語りいろいろと積極的に活動されているのですが、自分の子供の頃となると急に寡黙になるのです。

吃音者に限らず、自分の(過去)のことになると、比較的親しい間柄においても、急に寡黙になる方はいらっしゃいます。
「かなり辛い経験をされてきたのだろうな」、とか、「大変な苦労をされてきて思い出したくないのだろうな」と考えて、こちらからはそれ以上聞くことはしませんね。(おとなの常識です)
*俗にいう「親友」とは、そういうところまでわだかまりなく話せる人間関係のことですが、実際には持っている人は少ないようです。同じ悩みを共有している吃音者の間では比較的できやすいような気がしています。

なんでこんなことを書いたかというと、そういう吃音者は「心の解放」がされていないのではないか、
子供のころにかなり辛い経験をした時間帯があり、それを無理矢理にでも忘れるか棚上げにしておくことで、いまの自分をなんとか保つようなギリギリの生き方をされているように見えてしまうのです。(自分も30代前半くらいまではそういう生き方で無理を重ねていました。)

そういう「危うい生き方」が、結果としてどもりを維持させたり悪化させる、また、実際の症状以上に自分のどもりを大きく評価して苦しむようになっているのではないかと思うのです。

例えば、
★、子供の頃、どもる度に家族から注意されたり場合によっては笑われたり無視されたりして、自分の家が安住の地ではなかった。
★、子供の頃、どもることにより精神的なレベルか肉体的なレベルで虐待を受けていた
★、家族関係(親子、夫婦、兄弟、祖父母)が劣悪で、その人間関係によるストレスにより自分のどもりが維持され悪化して、結果として人生がうまくいっていないとこころのなかで強く思っている。
★、しかし、自分の幼少期の経験や自分の家族についてはあまり否定的に思いたくないし、そういう事実を人に知られたくないという複雑な思いが自分を締め付けている。

逆に言えば
★、学校でどもりで困ったり恥ずかしい思いをしても、帰った家ではいくらどもっても怒られることも注意されることもなく静かに話を聞いてくれるので、自分がどもりで困っていることをわだかまりなく家族に話せる。
★、家族間で全くケンカのない家庭などありませんが、質実剛健で思いやりのある明るい家庭。

こんな家庭環境に子供の頃からあれば、どもりが治るかどうかは別として、前述よりかは明らかに良い結果(吃音の悪化が食い止められる、心理的に重症のどもりとならない可能性が大になる)になるでしょう。

それでは、前述のような「悪い家庭」で育ってしまった場合にはどうしようもないのかといえば、おとなになってから自分の努力でかなり回復できるものと考えます。

★、アダルトチルドレンであることを認識する
「こどもの頃、我慢していたこと」、
小中学校のころからどもりで困ったり、どもりを原因としていじめられたりと、場合によっては自殺を考えるほどに悩んでいたのに家族には話すら聞いてもらえなかったし、言い出せるような環境ではなかった。
そのような場合には、年月を経てからでも、年老いた親の前でも、「当時、自分がたいへん困っていて悩んでいたのに家族には何もしてもらえなかったこと」を大きな声ではっきりと言いましょう。自分のなかで何かが変わりはじめるかもしれません。

★、いままで、自分の人生のなかの「負の部分」と思って、こころのすみっこの方に紙に包んでしまっておいた「こどもの頃のどもりについてのいろいろなこと」を、
自分の人生のなかの「ほんとうにあった隠せない事実(人生の一部)」とするために、自分で工夫しましょう。
それには、例えば、東洋的な修養法である「座禅」なども良いかもしれません。

★、やはり、自分の負の部分をためらいなく語れる友人(親友)を持つことです。

★、セルフヘルプグループなど吃音者の集まりに参加して、自分以外の吃音者がどのような人生観を持って生きているかを体感することです。(ネットのつながりだけでは弱すぎます。)

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