吃音対策・研究のレベルは20世紀前半でストップ?(再掲載:2011年3月8日)

アカデミー賞効果か?一時的に「吃音」、「言語治療士」というキーワードがネット上でも踊っているようです。(注:東日本大震災の直前2011年3月8日の書き込みの再掲載です。)
もしかしたら、「言語聴覚士」の志願者が若干増えるかもしれませんね。良いことです。
*、そういえば2000年、キムタクのBeautiful Life のあとに美容師の志願者がかなり増えたことを思い出しました。知り合いに美容学校の関係者がいたのでその方から聞いた話です。

しかし、考えてみてください。映画の舞台は20世紀前半の1920年代~1930年代です。たとえば、その頃の医療関係の映画を見て参考になることがあるでしょうか?
数年前に、唐沢寿明主演の白い巨塔が放映されました。
同じ頃に田宮次郎主演の白い巨塔(1978年)が再放送されたことがありましたが、CTすら出てこないレントゲンだけの世界に「こんなだったんだ」と思ったものです。

一方、どもりの場合は医療の世界とは大違いでほとんど変わっていないのです。
映画のなかで吃音者である国王(当時は王子)が、クラシック音楽を大音量で鳴らしたヘッドフォンをかけた状態で本を読まされます。(シェークスピアでしたか)
「なんでこんなことをするんだ」と怒って帰ってから自宅で録音盤を聴いてみると、どもらず、すらすら読んでいる自分の声が聞こえてくる・・・・そして、もう一度言治療士のところにもどるというシーンがありましたが、これは、注意転換法、マスキングノイズ、ですね。1930年代に出てきた理論です。

ネット上でも簡単に検索できますが、20世紀の前半からアメリカなどの大学を中心としてどもりの専門的な研究がなされていました。
「大脳半球優位説」など、いろいろな学説がたてられ、自分の声を少し遅らせて自分の耳に戻してあげるDAF(Delayed Auditory Feedbck)(遅延聴覚フィードバック)、
言葉を引きながら出す引き延ばし法、わざとどもるバウンズ法など様々な治療法、技法が試みられましたが、いまに至るまで吃音の原因が特定できないので、治療法も確立していません。
*特に日本では、医学部なども巻き込んだ学際的な、本格的なプロジェクトはないと言って良い状況です。

21世紀に入ってから最初の10年が過ぎたいまできることは、
医学部を擁する大学や研究所などによる最先端のどもり研究はもちろんのこと・・・

いまの時点で「できること」と「できないこと」、「してよいこと」と「してはいけないこと」をきちんと分けて考えていくことです。
そうしないと、この先もいままでと同じように混沌としたどもり対策になってしまいます。

○、どもりによる悩みにより心の病気にならないように、精神科医などの専門家によるこころのサポート
○、(希望者には)、言葉の流ちょう性を向上させるための(十分に訓練された専門家による)言語的な訓練
○、どもることにより、家庭内・職場・地域社会で孤立しないように、吃音者のセルフヘルプグループの充実

などが必要です。

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