ある程度以上の重さの吃音者が人生で遭遇する耐え難い「生きづらさ」を減らしていけるようなシステム作りを!(再掲載一部改編:2009年10月9日)

日常生活や学校生活・仕事に明らかな支障があるようなの「重さ」のどもりを持つ人にとって、子供の頃からの記憶には、どもりであるがための失敗と、そのときの「やるせない気持ち・敗北感」がこびりついています。

どもりを持っている人は成長にしたがって、様々な、どもりであるがための「生きづらさ」に遭遇します。

学生時代は、授業中に指名されてもまともに答えられない、友達に電話ができない。(これだけでも多感な青春時代の気持ちをクサらすには十分ですが・・・・)
高校、専門学校や大学卒業後の就職に際しては、就職活動のはじめから、どもりであるがための「生きにくさ」をいやというほど痛感させられます。
なぜならば、電話をするという、どもらない人にとってはあたりまえのようにできる行為ですらまともにできないか、「自分の名前を言う」ことすらできないことがあるからです。(それが、障害を持つ、ということなのですね・・)

私は、どもりは「恐怖心があり、だからどもるのだ!」という考え方ではなくて、脳になんらかの器質的な異常があり(当然その障害には重さの違いや症状の違いがあります)、もともとどもるところに、成長していく過程で、家族を含む周りの人たちからどもりというのレッテルを貼られたり、笑われたり、また、いじめられたりするごとに、どもりの症状以上に「重くなり固定化し神経症的なものに」移行するものだと考えています。
*私の素人意見では心許ないですから、おすすめの本のところにもある、「吃音の克服―文明社会のなかの言語障害」を読まれることをお勧めします。

思春期以降の吃音者が進学や就職・転職に際して、
どもることでの大きな不便や障害に直面すると「なんとかしたい」と思うのは(生きて行くためには)あたりまえのことですが、
それに対応する(困ったときに相談できる)ためのきちんとした施設(カウンセリング・言語訓練施設)は事実上存在しません。
*たとえ日本に数カ所あったとしても、日常的に通えるところにない限りそれはないのと同じことです。比べるのはおかしいかもしれませんが癌の専門病院である「がんセンター」でさえ、都道府県毎にある場合が多いですね。ましてや、どもりの相談施設でしたらマンションの一部屋でも貸しビルのすみっこの方でも十分に「営業」できます。

ですから、「治すため・軽くするために」苦し紛れに行くのは、何十年前から、そしていまでも、怪しいと思いつつも、わらを持つかむ思いで通ってしまう、何十万円もかかる民間の「無資格どもり矯正所」しかないのです。

しかし(過去に何回か書いていますが)昔の(90年代半ばくらいまでの)矯正所の良いところは、同じどもりを持つ仲間と知り合えることでした。(複数の吃音者が教室で並んで授業を受けるというパターンだったのです。)

そこで知り合った仲間うちで、なんのためらいもなくどもりの悩みを打ち明けあうだけでも、心が晴れて「がんばってみよう」という気持ちが出てくる場合があります。
客観的に見てどもりの症状そのものは変わっていないのに、本人は「軽くなった」と言い、就職や転職をする勇気が出て実際にできたということが多いのです。(私もその例です。)

*ひとつの教室で授業を受けるような形の「かつての民間無資格どもり矯正所」に通ってくる人は、客観的に見て軽い人が多く、たとえ重い人が通いだしたとしても長続きしないのが現実でした。
その軽い人が「苦労の末にどもりを克服した」と言い、会合などで「指導的な役割」を演じると言うパターンは、しばらく前までの定番でした。
しかし、「軽い人」と「重い人」との間には、どもることでの生きづらさも、辛い経験も、また、進学や就職時の困難さも大きな違いがあり、人生に占めるどもりの位置や割合が大きく違います。
ですから、比較的軽い人で自分なりの工夫や苦労の末に就職できたことなどの経験を誰かに伝えたいという「善意」が、結果として、他の吃音者の心を傷つけてしまうことはよくあることでした。(現在のセルフヘルプグループの活動においてもあるかもしれません。)

しかし、21世紀を迎えてしばらく過ぎた現在では・・・
これからは、今まで書いてきたように、個人がその人生の中で苦労を重ねて何かを感じ取るなどという方法ではなくて、訓練された専門スタッフがどもりの人を子供の頃からひとつのファイルで継続的に追跡できるようにして、気軽にいろいろな相談に乗り、また、必要に応じて本人や家族の心理カウンセリングを行ない、場合によっては言語訓練もタイムリーに行なえるようなシステムを構築していくべきでしょう。

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