吃音を持つ子供にとっての思春期は(再掲載一部改編2010年5月)

思春期は大変な時期です。
青春などと言われていますが、友達関係、日々の勉強、クラブ活動、受験勉強、進路の決定、恋愛など、あらゆることがダイナミックに変わる時期であるだけに、健康な人にとってもたいへんな時期だと思います。

どもりを持っている子供にとってはどうなのでしょう?
学校生活(授業、クラブ活動、委員会活動など)はまさに話すことの連続です。

授業中には先生の質問に答えたり、指名されて教科書を音読したり、
まさに、声に出してしゃべる・発表することが毎日の仕事というような、いまになって振り返ってみるとぞっとする地獄のような日々です。
*、社会人になってからは、営業などの職種に就けばもっとですが!

私の場合は、最初の言葉がブロックされて出ないタイプ、
それもかなり神経質などもりでしたので、調子の悪いときは指名されても立ちんぼで「しゃべれない」か「わざとしゃべらない」と思われてしまう状態になるのです。

元々の性格が引っ込み思案ならば良かったのかもしれませんが、自分の意見をはっきりと述べたい目立ちたがり屋の子供だったので、
また、調子がよいときにはほとんどどもらないこともあるような、かなり調子の波の振幅が大きいどもりだったので、
「言いたいことがたくさんあるのにそれが言えない」ということが大きなフラストレーションとなり、
また、家族がけんかばかりしているような家庭環境も背景にあり、強迫神経症に陥っていました。(しかし、当時は、精神科にかかろうなどとは夢にも思いませんでした。精神科という言葉自体に拒否反応がありました。)
そのような毎日の繰り返しに、よく耐えてきたと思います。

「自殺」ということばを密かに懐にしまっている子供でしたが、中学・高校の頃はまだ心に柔軟性(のびしろ)があったのでしょう。我ながらよく耐えてきたと思います。
調査資料などはありませんが、耐えきれずに自殺の道を選ぶ子供はどれくらいいるのでしょうか?
インターネットが一般的になった今日、まれに、我が子や兄弟を吃音の悩みによる自殺で亡くした書き込みに接することがあります。

それでは、思春期(小学校高学年~高校生くらい)にある、どもりで悩んでいる子供はどうすればよいのでしょうか?
また、そのような子供を持つ親はどうすればよいのでしょうか?
(40歳代になったいまでも、思春期の頃のことを思い出したり文章にすると心が大きく揺さぶられます。つらい出来事が鮮明にフラッシュバックします。自分にとってよほどつらい時期で、しかも、それを誰にも言えなかった時期でした。本当に、よく、自殺しなかったなと思います。)


○、自分でできること

自分でもできることを書きますが、これも、今の年齢になっているからこそ言えることかもしれません。
実際に、思春期まっただ中でどもりで悩んでいる皆さんは、こんなふうには冷静に考えることができずに心がフリーズしてるかもしれませんね。(いまの私が、当時の私のところにタイムワープしてアドバイスするつもりで書きましょう。)

1、10代なんて人生始まったばかり。
若い頃にたとえ数年間のつまずきがあったとしてもたいしたことはないのです。(でも、その頃には、なかなか、それはわかりませんね。)

2、「ジコチュウ」で生きましょう。
自分を責めるように生きている場合が多いので、ジコチュウでちょうどよくなるかもしれません。

3、「家」や「親」に必要以上に気を遣うことはやめましょう。
親は先に死んじゃうので自分のこれからの人生を最後まで責任とってくれません。
自分が激しくどもっている本当のところを親に見せましょう。

4、自分のことは自分がいちばんわかっています。常に自分を冷静に分析する習慣をつけましよう。

5、どもりを持ちながら学校に行くのが耐えられないくらいに苦しいならば、我慢せずやめるのもひとつの方法です。
上の学校に進むには他の方法もあります。人は苦しむために生きているのではありません。

6、ひとりで良いので、自分の心の内をさらけ出せる人(親友、信頼できるカウンセラー、など)を確保することです。

7、いまは21世紀です。悩みをぶつけられるホームドクターとしてのマイ精神科医、マイ臨床心理士、マイ言語聴覚士を見つけてください。

8、必要に応じてセルフヘルプグループに参加してみましょう。


○、親ができること

1、もしも子供がどもりの苦しさを訴えてきたら、まずはひたすら傾聴しましょう。

2、親からみて子供がどもっていれば、その子は間違いなく悩んでいます。

3、子供のどもりを軽く見ないで、場合によってはその子の人生を大きく変えてしまうかもしれないくらいに考えてください。深刻にならないで真剣になってください。

4、民間療法やご近所情報などのインチキ情報に振り回されないことです。
我が子のどもりを本当に心配しているならば、日本中、世界中の権威者を探すくらいの真剣さが必要です。その気持ちは子供に伝わります。

5、甘やかす必要はありません。質実剛健な家庭を!、家庭のなかは努めて明るくすがすがしくしましょう。

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