吃音を素直に悩める、こだわることの大切さ、また、そうできる環境を作ることの大切さ(再掲載改編:2011年2月:原題:素直に吃音に悩み、吃音にこだわることの大切さと怖さ、また、素直にこだわれる・悩める環境をどうやって作るか)

日常生活に支障が出るような「ある程度より重いどもり」をもっていると、朝起きてから夜寝るまで(場合によっては夢のなかまで)自分がどもりであることを意識し(させられ)ます。
*、これが、どもりの、どもりで悩んでいる人にしか分からない特徴です。家族との会話、家で電話をとる、学校や職場での仕事はもちろん同僚やクラスメイトとの何気ない会話に至るまで、どもることによりコミュニケーションに支障が生じるわけですから 、子供の頃からの出来事を振り返ってみて、「よく自殺しないでいままでい生きてこられたな」と思います。(しそこなったことはありますが)

「どもりにこだわらない生き方」を説く旨もありますが、乱暴な言い方をすれば、子供のころから日常生活に支障が出るくらいの重さのどもりを持っている場合は、それはたぶん無理でしょう。
無人島に流されてひとりで生きていくならばともかく、現実は、家族、同級生、同僚・・・などの他者とのコミュニケーションを取りながら生きているので、どもるたびに「ああ自分はどもりなんだ」と意識させられますし、無意識の世界までそれは広がっていきます。

実際にはどもりで悩んでいるにもかかわらず、家族の生活を支えるために現実の毎日を生きていくことで精一杯で、第三者からみてこだわっていないかにみえる方は大勢いらっしゃるでしょう。
しかしこれも程度問題で、「大人の場合は、自分で安定的に稼いで自分や家族が食べていけること」に支障がない限りはそんな生き方ができるのかもしれませんが、いまの世の中はそれほど甘くありません。(日本が高度経済成長していた昭和50年代くらいまではそれが可能だったかもしれません。)
他の能力は十分に優秀でも、どもることが原因で食べていくに十分な稼ぎを得られる安定的な仕事に就けない方はかなりの数いるはずです。

さて、子供の頃に、
日常生活に明らかな支障があるくらいのどもりを持ちながら生きている場合において、家族がどもりへの関心や理解が少ないか全くない場合、さらには、どもるごとにあきらかにいやな顔をする場合に至っては、悩みをぶつける場が全くないどもりを持つこどもの心は大きく内向すると思います。
そうなると、かつての私のように、自分のこころのなかにもうひとりのどもらないバーチャルな私を作り上げて そこに逃げ込むしかなくなります。
「大人になれば治るはずだ」、「本当の(どもらない)自分の実力はこんなもんじゃない」・・・と
そして最悪の場合陥るのは、うつ病などの「心の病」であり、引きこもりなどの生活状況です。(これが結構多いのです。)

そんなことにならないようにするために・・・
「どもり」を、いまの自分の問題としてだけでなくて、これから出てくるどもりで悩むこどものためにも、
まずは、素直にどもりにこだわることができ、悩める、そして、そばに悩みををひたすら傾聴してくれる人がいる環境を作ることが必要です。

それには、人が生きていく最小限の単位である家族の再教育も必要でしょう。
つまり、どもりを持つ子供がいる家庭に大きな問題がある場合には積極的に介入できるシステムの構築です。
*、子供の虐待の問題においても、親権を制限したり停止して強制的に隔離しておけば殺されなくて済んだ子供はいくらでもいるだろうに、行政の体制の貧弱さ(スタッフの不足、予算の少なさ、専門性のなさ「理不尽な人事異動」)や、一部の過剰な、または間違った人権感覚が悲劇を生んでいます。行政の態勢(スタッフの人数、予算、専門家の育成)も根本的に見直さなければなりません。

通っている学校でクラスメイト全員が「吃音」問題について理解し配慮してくれるなどということは夢のような話で実現不可能ですから、
どもりを持つこどもがある程度の逆境に耐えるられるように、心やことばの専門家による親身なカウンセリング・サポートも必要となってきます。
また、限度を超したいじめなどには公平な立場から学校側にも強力な指導ができるような強力な権限を持ったスクールカウンセラーなどの配置も必要になってくるでしょう。

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