吃音は発達段階ごとのケアが必要(改)(再掲載:2007年10月)

○幼少期に肯定的な環境下で育つことの重要性
 子供のころに家庭内で、どもるたびに注意されたり言い直しさせられたり、また、絶えず家庭内でけんかが絶えないような「否定的な環境」で育てられた場合、と、おおらかで家庭内に笑いがある環境で思う存分どもりがらでも平気にしゃべることのできる環境で育った場合では、その後のどもりに対する耐性に大きな差がつくことは明らかです。
 自閉症などと同様に、どもりになる直接の原因(どもり出す原因)は親の育て方や家庭環境ににはありませんが、劣悪な家庭環境下に子供を置くと発生したどもりを固定化させ悪化させることになることは明白です。
 
どもりをもったお子さんを持つ親御さんは、その点を肝に銘じるべきです。(腫れ物に触るように甘やかして育てるということではありません。)

○事情は常に変化します
 ある学校・ある職場の環境下では比較的どもりの症状が(結果的に)出ずに比較的スムーズに仕事が遂行できたとしても、転勤や転職、転校などで違う環境に入ったときに、これが同じ自分かと思うほどどもりの症状が悪化することがあります。
 学生ならば学校を首になることはありませんが、会社員の場合は事実上仕事にならない状況(やめざるを得ない状態)に追い詰められることは十分に考えられます。
 いろいろな考え方はありますが、「どもりの具合が悪い」よりも「よい」ほうが、日々の生活をすごしやすいのは間違いありません。

○本当の勝負は社会人になってから
 学生のうちにどもりの悩みを自分だけではもちきれなくなり、カウンセラーや精神科医、運が良ければ理解のある言語聴覚士、などにかかったり、セルフヘルプグループに入る、などして、自分なりに心の整理ができたり、それなりに改善されたとしても、本当の勝負は社会人になってからです。
 それは学生時代のように、しゃべることから逃げることができなくなるからです。
 
でも、なぜか、公的なサポートは思春期以前で終わっています・・・・・・・・

○グループや集まりの雰囲気にのまれる
 たまに行われるグループの集まりでどんなに盛り上がってみても、自宅に帰りいつもの環境にもどれば、どもりについてはひとりぼっちの状態になります。
 普段の環境(家庭・職場・学校)に、自分のどもりに対する理解者がひとりでもいれば、それは大きな助けになりますが、理解者が身近にいない場合にはとても辛いものです。
 毎週のように集まれる心おきなく話せるサロン的なグループがあるか、ない場合には、ネットなどでつながりを確認できる環境を構築しておくだけでも大きく違ってきます。

○どもりについて決めつけないことが大切(アドバイスする側の専門家が自分の方法論に固執しないこと)
 ご存じのようにどもりについては、いろいろな考えかたが存在します。
「どもりのままでよい」という考えや、「少しでもどもりを軽減してあげれば自信がついてさら良い方向に進む」、など、そのほかにもいろいろな考え方がありますが、アドバイスする側は常に「自分と違う考え方」・方法論」についても頭の中に入れて対応する必要があります。
 専門家自身が、たとえ気が進まなくても、自分の考えとは違う多様な選択肢があることを冷静に説明すべきです。

 これはとても重要なことです。

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