英国王のスピーチをみて(2) この映画がいま悩んでいる吃音者やその家族にもたらすものは・・・

 オスカーを取ったこの映画が吃音を持っている本人やその家族にもたらすもの、与える影響はどんなものなのでしょうか?

○、心を開くことの大切さをあらためて知る
 映画のなかでは印象的なシーンがいくつかありましたが、そのなかでも特に心に残っているのが・・・
王が(当時は即位する前のヨーク候アルバート王子)言語治療士の前で自分のつらい過去を、おそらくはじめて人に話すシーンがあります。
○、とても厳しく育てられたこと。
○、X脚を強制的に矯正されてとても辛かったこと。
○、お兄さんからどもることでからかわれ続けていたこと。
○、陰で乳母からいじめられていたこと・・・などです。
*、多くの吃音者はおもいあたるフシがあると思います。
これらは、どもりはじめる直接の原因ではありませんが、こどものどもりを悪化・定着化させるための要因となるでしょう。

 どもりを持っている人が治そう・軽くしようと思い一生懸命に言語訓練をしたり、仲間同志でいろいろと語り合ったりしていても、案外、人に言えないような(と自分で思い込んでいる)家庭内でのどもりにまつわる辛い過去に蓋をしているようなケースが多いのです。
 このかたくなな心が、もしかしたらどもりの症状を悪化させたり固定化させているのかもしれません。
 柔らかな心を持てるように本人もそしてまわりもバックアップすべきでしょう。

○、やはり決定的なのは平民と王族の違い
 映画でのジョージ6世の苦悩には心を打たれましたが、このブログは吃音問題についてプラクティカルに考える場所です。
王族ではなく「平民」のどもりについてのブログです。

王様は
○、自分で仕事を探さなければならないという就職の問題がないこと(あたりまえですが・・・)
○、スピーチなどで話す言葉を事前に十分に吟味することができるということ
これらは平民の吃音者との決定的な違いです。

 多くの吃音児や吃音者が家庭内・学校や・職場で苦労するのは、言わなければいけないこと(と思われていること)がなかなか言えないことです。
 そして、平民の吃音問題のバックグランドには常に「生活・生きていくこと」があるのです。

 どもることより就職できないことが、つまり生きるための金を稼ぐことができないか不十分な場合には、生命の危機につながる場合があるのです。

 この映画を見た吃音者や吃音児の親兄弟などが、励ましのつもりで、
「ジョージ6世も数々の苦労をしてどもりを『克服』したのだから、おまえもがんばれ・・・」というのは逆効果です。

 むしろ、どもることによる苦悩を映画のなかから読み取ってもらうのが一番かと思います。
20世紀前半の英国の国王ですらあのような苦労をするということは、現代の日本に生きる普通の子であるわが子はどれほど苦労をしているのかと。

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英国王のスピーチをみて(2) この映画がいま悩んでいる吃音者やその家族にもたらすものは・・・」への2件のフィードバック

  1. 書き込みありがとうございます。
    読んでいただければ分かるとおり私は言語聴覚士でもなく、精神科医でもありません。ただ、yasutakaさんと同じ吃音者で、もしかしたらちょっと(笑)長く生きているかもしれません。
    バイトで接客業をされているとのこと。そういう選択をされていることに心から敬意を示すとともに、でも「あまり無理をした生き方をしませんように」と申し上げたいと思います。
    私が言うまでもなく、ご自分でどもりとつきあいながら生きてこられたので自分のことは自分がいちばんおわかりだと思いますが、
    そして、ネットでいろいろと調べてみられたことと思いますが、ほとんどがあやふやな情報か、読んですぐ分かるインチキ情報ですね。
    そうです、どもりは原因もわかっていず、従ってこれで治るなどという確実な方法などないのです。

    それが前提ですが。
    たとえば、どもりのセルフヘルプグループなどに入り、気の会う仲間を作りお互いに電話を掛け合うことをするとよいのでは、
    携帯電話にかけたり携帯電話で受けたりするのではなくて、ご家族と住んでいる人の家の電話にかけたり、ご自分もご家族やその他友人などがいる前で電話を受ける練習をするなど、いろいろな状況で電話かけまくるのが良いのでは・・・と思います。
    家族や仲間の前で自分がどもりであることを開示して、
    自分がどもること、自分がなかなか言葉が出てこなかったり、大きくどもっているところを家族や仲間、その他の人に聞かれることに慣れるということだと思います。
    なかなか言葉が出てこないのもブロッキングといって代表的などもりの症状ですね。
    セルフヘルプグループなどに参加して、同じどもりを持つ仲間と接して試行錯誤されることをおすすめします。そのなかで自分なりの考え方ができてくると思います。
    私が言えることはこれくらいです。

  2. ある方にこちらのサイトを紹介されて来ました。
    相談に乗って頂ければ嬉しいです。

    私は接客業に就いています ( バイトですが ) 。
    「 いらっしゃいませ 」 「 有難う御座います 」 は普通に吃らず言えます。
    しかし、電話対応の時は何故か吃ってしまいます。
    誰かが電話に出て、私に代わった場合などは問題ないんです。
    また、こちらから相手に掛ける場合なども問題ないんです。
    しかし、掛かってきた電話に私が出る場合だけ吃るんです。
    例えば、「 お電話有難う御座います 」 という台詞を言うとします。
    すると、普通の吃り症の人は 「 お、お、お 」 という感じですよね。
    しかし、私の場合は最初の 「 お 」 の連呼すらできず 「 ・・・・・ 」 という感じです。
    「 吃る 」 というより 「 詰る 」 という感じです。
    電話対応の時だけです。
    昔からそうです。
    何故、電話対応の時だけ吃るのか、原因不明です。
    接客業である以上、どうしても改善しなければなりません。
    どうすれば改善できますか?
    宜しくお願い致します。

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