吃音: 映画「英国王のスピーチ」について

 イギリス国王ジョージ6世が重度の吃音者であったことは、どもりをもっている私だからということではなくて、歴史好き(特に第二次大戦前後)の私としてなんとなく知っていました。

 さらに、このブログのおすすめの本としても紹介している、
「吃音の克服(原題:A STUTTER’S STORY)のなかで(P79~80)、著者であるどもりを持つ言語病理学者フレデリック・P・マレー博士が、少年時代の1937年のクリスマスと、1939年のナチスドイツに対しての宣戦布告時のラジオスピーチを親愛の情を持って聞いたとの記述でも改めて知りました。
*、1939年のスピーチは、BBCのWebページで聞くことができます。(bbc archiveというキーワードで検索すれば見つかります。)なお、スピーチの原稿は国王がどもらないように苦手な言葉は極力省くなど細心の注意を払って作られたとのことです。

新書館発行 フレデリック・P・マレー著「吃音の克服」P79より抜粋
「・・・このような障害にもかかわらず、ジョージ6世は、公衆の面前で話し続けた。・・・・
ジョージ6世は、吃音の症状から完全に解放されることはなかったが、在位中に言葉は格段に改善された。王は、ライオネル・ローグというオーストラリア人の治療者の教育を受けていたが、彼は王にいろいろな助言のほか、特に言いにくい言葉の前に「アー」という曖昧音を入れることを教えた。王のスピーチでは、王が普段言い詰まってしまう単語は言わなくても済むように入念に取り除かれていた。・・・・・」

 映画の公式ホームページを見ると何種類かの予告編を見ることができますが、「気が小さい国王がどもりを持っていて、優秀な言語治療士のもと苦労しながらも誠実に生きていく」というように描かれているようです。

 彼は子供の頃から体が弱く、さらに、かなり厳しく左利きを矯正されたりなど、厳しい権威主義的な環境(権威主義なのは当たり前か)で育ったのだそうです。
どもりがもともとの症状以上に神経症的なバックボーンを持ってしまい、固定化、悪化したことは容易に想像できます。
*「左利きを矯正するとどもりになる・・・」は大脳半球優位説との関係で言われたことがありますが、そうではなくて厳しい環境に育ったので・・・と考えた方が良いかもしれません。

 今回の映画にかかわらず、様々な困難に遭いながらも誠実に一生懸命に生きるというのは映画の当たり前のようなコンセプトなので、楽しんで見れば良いのではないでしょうか?
 個人的には、この映画よりも竹野内豊主演の「太平洋の奇跡」の方がみたいなあ。

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