吃音:オックスフォード流吃音、サンダーバード、そして、白洲次郎

予備校生の時に英語の先生がケンブリッジだかオックスフォード卒のイギリス人でした。
若くて背が高くて着こなしも良くて、初めて身近で定期的に接したガイジンだったためにそれなりのカルチャーショックでした。
彼はどもりながら授業を進めていくのだけれども、それがなかなか格好いいんです。
それから少し経ってから、たまたま何かの本かTVで、イギリスの教養人はすらすらしゃべるのではなくてどもりながらしゃべるのを好むらしい・・・ということを知りまたまたショックを受けました。
オックスフォード流のどもり、らしいですね。

それから、かなりたってから(つまり現在に近い過去)ですが、
こどもの時に熱中した人形劇「サンダーバード」に出ていた「ブレインズ」という名前の科学者は、オリジナルの英語版で聞くと結構どもっていることを知りこれもまたカルチャーショックを受けました。

またまたちょっとたってから、たまたま正月番組で、
みのもんたさんかさんまさんが司会をしていた、「すごい日本人」みたいな番組で「白洲次郎」のことを知りました。(白洲次郎について書かれた書物をお読みになることをおすすめします。日本人もこんなにかっこのいい生き方ができる人がいたことを知ることになると思います。)
白洲次郎ブームが始まるきっかけとなった番組をたまたま見たわけですが、彼が子供の頃からどもりであったことを知るとともに、GHQから「従順ならざるただひとりの日本人」と言われていて、ケンブリッジ仕込みのタフな交渉力で対等に交渉をしていくというカッコイイ逸話も知りました。(あのマッカーサー元帥さえしかりつけたという・・・)

その白洲次郎が新憲法の起草に関わっているときにGHQの高官に出した手紙というのも印象に残っています。
山の絵を描いて、ふもとから頂上にまっすぐに進む線と、もう一つは、ふもとから迂回しながら徐々に上っていく曲がりくねった線を引き、
Your Way(つまりアメリカ側はアメリカ的に最短距離を論理的かつ効率的に進もうとするが)、Our Way(我々日本人は遠回りして「いろいろ寄り道して」同じ頂上に達する)というような説明の手紙でした。
どもりについても同じようなことが言えるのではないか。
原因がわからず、従って確実な治療法がない現在、いろいろ寄り道しながら頂上を目指すしかないのではないか?
そして、その頂上もひとつではなくて、いくつかの頂上があり選んでいけるような形にしたいものです。

時間軸にそっていくつかどもりにまつわる話を書きましたが、
勘違いされやすいのは、どもりは気が小さかったり神経質だからなるのではない・・・ということ、
最初に「どもり」という症状があり、結果的に神経質になったり、どもり始めた子供の頃からの家庭環境の悪さからどもりが神経症的・うつ病的な症状を呈してきたりするのですね。

白洲次郎の話にしても、オックスフォード流のどもり(こちらはわざとどもり風にはなすらしい)の話でも、
彼らが比較的軽いどもりだからそれが逸話になるのであって、自分の名前を言うのにもいちいち大きくどもってしまう、電話口でもただ口をパクパクさせているだけでことばが出てこないような重いどもりならば前提が大きく違ってくるということです。

これらの勘違いから、親がどもり始めた我が子へ、「ゆっくりしゃべりなさい」、「落ち着いてしゃべりなさい」と言ったり、言い直しをさせたりするという、かえって心を傷つけ、そのどもりを重い固定化されたものへと進めてしまうような間違ったアドバイスへと進んでいくのでしょうか。

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