吃音:セルフカウンセリングの勧め

 ある程度以上の重さのどもりを持ちながら毎日を生きることはとてもつらいことです。
2歳から3歳くらいに始まることが多いどもり。
つまり、ものごころついたときから思春期を経て、ずーっと「どもり」とおつきあいの人生なのです。

 どもりでない方には想像できないでしょう
朝起きてから夜寝るまで(場合によっては夢のなかまで)ずっとどもっているのですから・・・

 朝起きてからすぐの家族の会話、学校での友達との会話、授業中の発表、会社での仕事、会議、出張中、電話、すべてのシーンで、自分の名前がいえない、または、なかなかいえない、教室で答えがわかっているのにいえない。
このストレスは半端ではありません。

 電話を取っても自分の会社の名前や自分の名前が言えない、なかなか出てこない。
相手が出ているのに何秒か何十秒か出てこない。
意味をなさないうめき声のような言葉しか出てこない。
ついにはいたずら電話と思われて切られてしまう。強烈な敗北感(でもほっとしたりする。)

 どもりでない人からすれば滑稽に聞こえてしまうし見えてしまうでしょう。当事者でないとわからないからですね。「落ち着いてしゃべれよ!」というのもよくわかります。
*、子供の世界はともかく大人の世界では(その住んでいる世界がなともな世界ならば)、悪意をもって「落ち着いてしゃべれよ!」と言っているのではなくて、アドバイスのつもりで言っているのでしょうし、忙しい仕事のなかで自分の仕事に支障が出るのをいやがっているのです。

 ここでおすすめするのが「セルフカウンセリング」
要するに、自分のことをいちばんわかっているのは自分であるから、自分を守るために自分をできるだけ客観的に見つめ直してみようということなのです。
 結果として、「もしかしたら、生き方(仕事、人間関係など)を大胆に変えた方が自分にとって生きやすくなり、いまよりも幸せになれるかも・・・」という判断になるかもしれません。

 たとえ親友でも言えないことはある。
 信用している精神科医、臨床心理士でも、心の奥には「どもりの気持ちはわからないだろうな」という一種の確信があったりします。

 反面、セルフカウンセリングは危険性も大きいです。
 客観性を失って自分の世界に入り込んでしまう危険性、その極端な例が、宗教的なことやオカルト的なもにより、どもりが治る、良くなるという錯覚に入り込んでしまうことです。
 自分ひとりで悩んでいて誰にも相談できないし、家族も無関心でむしろどもる自分を責める。こんな場合には、ネットからの断片情報やその他の無責任な情報に心がかき乱され、心の奥底では怪しいとわかっているのにその世界に入り込んでしまう。

そこで、
○、ハウツー本ではなくてきちんとした本を読んでみる。どもりについて勉強する。
おすすめの本にも載せている「吃音の克服」のような良書に触れて、自分の世界に入り込まない様に正確な情報を得て客観性を保つように心がけましょう。

○、吃音者の集まりはもとより、直接吃音に関係のない事柄でも、講演会などにも積極的に行って、違う立場の人に直接触れてみましょう。
「自分と同じどもりという悩みを持ってはいるが違う環境にいる人、違う年齢の人」、「どもりではないが様々な人生を生きている人の言葉」に直接触れてみることは、客観性を保つためにも有効でしょうし、勇気を与えてくれることも多いと思います。

○、どもりのセルフヘルプグループに参加するか自分で組織を作るのも良いでしょうが、「必要以上に心が入り込まない様に」注意しましょう。
 いままで誰にも言えなかったどもりの悩み、やっと出会えた理解者・・・、
でも、そこの仲間も自分と同じ吃音者当事者ではあるが、カウンセリングについては素人集団ですから、そのつもりはなくても(むしろ熱心であればあるほど)お互いの心を傷つけてしまうようなこともあります。(結構あります)
 孤独な心から解放された喜びからその活動に没頭してしまいがちですが、そこには思わぬ落とし穴がある場合があります。
 自分の心が傷つかないように適度な距離をおきながらゆっくりと接して、ゆっくりと友人関係を育んでいきましょう。

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吃音:セルフカウンセリングの勧め」への2件のフィードバック

  1. またまた書き込みありがとうございます。
    すけけんさんの楽しいブログも拝見しました。
    今後ともよろしくお願いします。

  2. こんにちは。
    うなずきながら読ませていただきました。
    同情されたいわけではないんでしょうけど、そんな気持ちも欲しかったり。だからといって、そんな目で見られるのも辛かったり。
    なんか複雑な気持ちになります。
    年をとるほどそんな思いが強くなっているような、気がします。

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