吃音者(児)と自己不一致(再掲載一部改編:2006年2月)

 どもりを持っている人のなかには、自分のこころのなかにいつも、
「どもらなくて、普通にしゃべれるもうひとりの自分」をつくりあげていて、そう思うことによりこころの平衡をなんとか保っていたり、また、「どもりが治りさえすればすべてがうまくいく」と脅迫的といえるほどに思いこんでいることがあります。
 いわゆる「自己不一致」の問題です。

 こどものころから生活に支障が出るような、ある程度以上の重さのどもりを持っていると、どもることによって日常的に笑われたりいじめられることが多く、さらに、家族からもどもりの苦しみを理解してもらえない場合には、どもらない人からすると想像もできないようなストレスがこどものこころに日常的にかかっていることが多いのです。
 自分のこころの平衡を保つためにも、自然と、自分のなかにもうひとりの自分(どもらない自分)を作り上げてそこに逃げ込んでいる場合があり、これはとても危険な状態です。
(*どもりの重さの違い、自分のどもりをどのように思いどの程度悩んでいるかの違い、まわり人のの理解・共感度の違い、などによってもそれらは大きく変わってきますので一概には言えません。)

 「どもりさえ治ればすべてうまくいくはずだ。今までの失敗はすべてどもりのせいだ。」
 しかし現実にはそのどもりはなかなか治らない。
 ジレンマに苦しみながら時間だけは過ぎていく・・・・・
悩みが悩みを呼び、場合によっては(学業、仕事、進学、就職などの)人生のステップで大きくつまずいてしまい、それをきっかけとして引きこもりへ・・・ということもまれではないのです。

 このように、「自己不一致」に陥らないように、親や学校の先生(担任、ことばの教室の先生)ができることは、

 子供のどもりが小学校に入ってからも自然治癒しなければ、その後もどもりを持ち越すことが考えられますので、吃音に造詣の深い言語聴覚士、臨床心理士のアドバイスを受けながら、場合によっては吃音経験者のアドバイスも受けながら、
「心の中にもう一人の自分を作り上げなくても現実の世界を力強く生きていけるよう」にサポートすることが必要です。
*、そのような公的サービスを、全国どこでも同じ質で受けられるようにする(ユニバーサルサービス)のが基本ですが、
現実には、それどころか、一部の地域でも行っていません。

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吃音者(児)と自己不一致(再掲載一部改編:2006年2月)」への4件のフィードバック

  1. 管理人です。書き込みありがとうございます。お元気でしたか。これからもよろしくお願いします。

  2. おお!管理人さん久しぶりです。もう2年ぶりぐらいになるでしょうか。すっかり時間を置いてしまってすみませんでした。このブログは生きた教科書のようです。これからも続けてほしいです。吃音の克服という本はよみました。吃音に対して絶望と安堵感のようなものを感じました。またコメントさせていただきます。

  3. 管理人です。書き込みありがとうございます。ことばの問題を抱えながらもお仕事がんばっておられるようですね。どもりの問題は、症状の個人差、子供の頃と現在の環境(心理的・経済的)の個人差、などにより、同じ「どもり」と言うことばでくくってよいものか、と思うほどの違いがあります。ですから、ある人の経験値をもって、たとえば「○○さんはどもりなのに○○ができているので、あなたもできるはずだ」と言うことばを励ましのつもりで言ったとしても、励ましになる場合もあるし、逆に精神的に追い込むだけの場合もあり、それが問題を難しくさせているのだと思います。これからも、ご自身の経験でも、感想でもよいので遠慮なくコメントください。

  4. こんにちは。突然のコメント失礼いたします。ブログを拝見させていただき、吃音と仕事に関してあなたなりの深い考えをもっておられるみたいですね。実は私もどもりがひどく、特に電話では苦労します。物心がつきしゃべり始めた頃から、私はどもっていたみたいです。今は大学を卒業し就職してからもう少しで8年。金融機関で働いています。営業職ではないのでお客様と直接話す機会は多くなく、基本は社内の方々と話すのですが、やはり電話だけはどうにも苦手です。悔しい思いはいつもしますが、何とか前向きに頑張っています。

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