吃音と仕事(再掲載一部改編:2008年10月)

 今回は「吃音と仕事」という、このブログの中核をなすテーマです。

 新年度になり、テレビでは企業の入社式などが報道されていますが、かつて、私は大卒後も就職できずに、自分自身でも、また家庭の中もきわめて暗い新年度を迎えていました。(いまでも忘れられません)

 人は働くことにより金銭を得て生活しています。
そして、どもりを持っている人が一番悩む人生のターニングポイントが「就職」です。

 幼稚園・小学校から大学や専門学校までの学生時代は、いくらどもったとしても、悩みが心理的に重くなり引きこもりなどになり学業が続けられなくならない限り卒業することができますが、
社会人として働くには、(特に事務系や営業系の職種で働くには)、「話す」ということが基本になりますので、仕事に支障が出ないくらいに電話やface to faceでの意思疎通ができることが基本になります。
(あくまでも一般論です。職種によっては、また、配慮された会社に入れば大丈夫なことはあるでしょうが、現実的に言って、かなりの少数派でしょう。)

(ある程度以上の重さの)どもりを持っている人は話すことが苦手なので、就職を前にしてつまずいてしまうことが多いのです。
 私もそうでしたが、どもりで就職ができないのは決してサボっているわけでもなく楽をしようとしとているわけでもありません。
でも、なかなか就職活動を始められなかったり、場合によっては就職浪人することで、家族には責められ続け、世間でも日陰者のような感じになって卑屈になってしまいがちです。
(家族を含む周りの人が無理解の場合には、自暴自棄に近いようなこころの状態になる人もいらっしゃるでしょう。多数派かもしれません。)

 それでは、言葉を全くかほとんど使わない仕事に就けば良いのではないか?ということになりますが、(実際、私も大卒時にそのようにアドバイスされたことがありますが)、
 学校卒業を前にして、「私はどもりなのでしゃべらない仕事に就きたいのですが」とは、10歳代後半から20歳台前半くらいの若者にとっては言いにくいですね。

 仕事をするにあたっては、(特に民間企業に少しでも身を置いた方ならば感じておられる方が多いでしょうが)、「どもったままでよい」という考え方は受け入れがたいというのが正直なところでしょう。

 どんなに自分でそう思っても(思おうとしても)、仕事に具体的な支障が出てくれば、その会社や部署に居づらくなってきます。

 そのようなことを考えると、これからは、ある程度以上の重さのどもりを持っている人をきちんと「障害者」と規定するようにして、重いどもりで仕事に就けない場合には公的なサポートにより病院やカウンセラーにかかれるようにする必要がありますし、どもりに理解のある専門家のサポートのもとの就職の支援も必要です。

 また、比較的軽く事務職などの言葉を使う仕事で働く場合において、どもりであることで常にボーダーライン上でぎりぎりの生き方をしているような方に対しても、心理的カウンセリングや、希望によっては適切な言語訓練を受けられる環境を整備していく必要があります。

 私もそうでしたが、大人になって就職を目前にして焦らないようにするためにも、
また、いままでのどもりで苦労してきた人たちがそうであったように、不必要な人生の遠回りをしないためにも・・・

小・中学生くらいの頃から、どもりをもって生きてこられた先輩方(おとな)の生き様について触れられる機会などをもうけて、吃音の実相について素直な心で考えられるように、また、どもりの真実の姿を受け入れた上で自分らしく力強く生きていけるようになるためのサポートも必要です。
 もちろん、先輩たちのことばを聞くだけではどうしても偏りがちですので、精神科医、言語聴覚士、臨床心理士、などにどもりについてもう少し勉強していただいて、彼らのサポートを受けることも必要になってきます。

 今までは、吃音者の就職についての実態は「闇の中」でしたが、インターネットが普及し誰でもブログが書けるようになった今、少しずつですが、一般の方がどもりを持っている人の窮状を知ることができるようになったことは良いことです。
 人は、なかなか大袈裟なことはできないものですから、
どもりを持っている人が、この新しいメディアを利用して、少しずつでも「本当のこと」を発信していくことは大切なことです。

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吃音と仕事(再掲載一部改編:2008年10月)」への4件のフィードバック

  1. 管理人ですまだ、30歳前後ですから、あまり悲観的にならずに、自分で就職できる幅を限定しないでトライしてみた方が良いですね。確かに言葉の問題は大きいですから、一番調子がよいときに通用するということではなくて、調子が悪くなることもあるという前提で動いた方が無理がなく仕事の経験が積めていけるような気がします。そして、しばらく働いてみて、もう一回のステップアップも許されると思います。35歳までに落ち着くように、遅れても40までに自分の仕事(生き方)が確立すればよいのではないかと思います。またいつでも書き込んでください。

  2. 去年、6月ごろ、ハローワークで登録して仕事探ししたんですがやっぱり簡単に仕事は見つからないんですよね。今年は去年よりは景気もよくなっているとおもうのでまたやってみようと思います。私は職業経験もほとんどありませんから、福祉関係ぐらいしか仕事がない気がします。

  3. 管理人です。こちらにも書き込んでいただいてありがとうございます。夜にでも詳しく書き込みますが、今はつらい時期ですね。体を動かしているとウツ傾向になるのを防げます。ちょっと無理してでも外出、太陽を浴びる、そして運動、が良いと思います。

  4. 私もそうでしたね。もう大学を卒業し6年目になりますが、定職についていたことはないといってよいでしょう。警察を2週間、アルバイトを3ヶ月、派遣を1年、自営業を2年ほどやってきました。警察じゃなかったらもう少しがんばれた気がしますがなかなか責任ある社会人の働き方とは難しいものです。その一方、まったくしゃべらない、工場勤務などもしたくありません。試行錯誤で一歩一歩進んでいくしかないんだと思います。もう引きこもって1年ほどになります。そろそろ仕事をやらないとダメですね。

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