吃音を押さえ込む(コントロールする)ことの弊害(私の場合)

 どもりを持っている方が、日常生活や学校生活、また、仕事を進める上で、最小限の言葉の流ちょう性を確保したいと思うのは当然のことです。

 なぜならば、毎日を(なんとか)生きていく必要があるからで、特に社会人になってからは組織のなかでそれなりの仕事をしお金を稼ぐことが必要だからです。
(社会人といっても、会社員「民間企業」のほかにも、公務員もあれば、農林漁業、など、いろいろな仕事がありますね。就く仕事の種類によって要求される言葉の流ちょう性は大きく変わってきます。また、同じ組織内でも、営業、経理、現場など、就く場所によっても大きく違ってきます。ですから、ある程度の重さ以上の吃音者は、自分の症状「重さ」を考えながら職業選択をすることが仕事を長続きさせる「現実的な」コツです。)

 私の場合は、日常生活の何気ない会話でも支障があるような時期があるかと思えば、学校での発表や電話でもほとんどどもらない時期もあるといったような大きな波を繰り返す少年時代(小学生~高校生)でしたので、吃音に対する自分なりの考え方や覚悟が定まりにくかったと思います。
 また、私を取り巻く家庭内の雰囲気は家族間のいざこざが絶えずあり、どもりの父がいる家庭の割には、というか、そうだからこそ、どもることには否定的でどもるたびに注意されているような「吃音児」にとっては最悪の家庭環境でした。

 将来就きたい職業については、もちろん、「どもりはある時期にはすっかり治っている」という前提で考えていました。(なんの根拠もありませんでしたが!)

 高校に入ると、中学(普通の公立の中学です)までとは違い、最初から大学受験を意識したカリキュラムですし、学校の雰囲気でした。
 学校に行く、勉強する、クラブ活動、たまに模擬試験という単純な繰り返しですから、授業中に教科書を読むのですら恐怖を感じているような少年にとっては、心のバランスを崩すには時間はかかりませんでした。

 その後、浪人、大学入学、就職浪人(引きこもり)、民間のどもり矯正所、ハローワーク通いを経て約2年遅れの社会人でしたが、ハローワークで自分で仕事を見つけて営業職として就職しました。

 その頃、20代末~30代前半くらいになると、それなりの生きる覚悟もできてきますが、言葉については試行錯誤が続きました。
営業職としてはあたりまえの日常業務である、電話、訪問、会議、など、すべてが人前でしゃべることです。
現実的に言って、それらで大きくどもっていては(それがよいかどうかということではなくて)組織内で通用しません。
 そこで、就職前にどもり矯正所のメンバーと仲間内で行なっていた言語訓練を続けて、なんとか最低限の流ちょう性を確保し続けるための工夫を続けました。

その成果が出たのか、たまたま調子がよい波の時期だったのか、その後は比較的順調に推移し、仕事も、どもらない人と同等かそれ以上の成果を上げられて自信をつけることができてきました。

 そこで、ステップアップを図るべく転職(営業職)したのが失敗でした。
会社名がただ言いにくいという原因で、職務上の電話、会話はもちろん、次第に日常生活の会話までどもり始める始末。当然、対処しましたが、なかなかうまくいきません。ちょうどバブル崩壊の時期で職場環境も悪くなっったので大変でした。

 これらの経験を経て感じたことは、
日常に影響が出るくらいの重さを持ったどもりを子供の頃から持っていて思春期以降に持ち越した場合には、吃音をコントロールしながら生きていくのは至難の業であること、

 できれば、自分でコントロールできる範囲(メンタル的にも、言語そものも)はどこまでかを知り、それ以上にはチャレンジしない方がよいのではないか?

 これは、とことんやってみて会得できることかもしれませんが、もしもその「とことん」が、本人の心の「限界値」を超えてしまうと取り返しのつかないことになってしまうこともあるので(つまり、重い心の病気や、最悪の場合は自殺)、また、それは自分ではなかなかわからないことなので、かかりつけの何でも話せる精神科医を見つけて生きていくのが良いのではないかと思います。

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