吃音:ひきこもりから就職へ(その1)

 大卒後もどもりを原因として就職できず結果的に引きこもりになってしまった私が、1年半くらいの引きこもり生活の後に民間のどもり矯正所に通って同じ悩みを持つ仲間ができ次第に元気になり、ハローワークに通って小さな会社の営業職につくことができたことはすでに書いています。

 今回はこの間の心の動きや家族との関係などを書いてみたいと思います。

 なぜ、大卒後に引きこもりになるまで追い込まれてしまったのか? 
 私がどもり出したのが2歳~3歳頃、自覚しはじめたのが小学校の低学年ころでした。(親が言うには、3歳頃からどもり始めたとのこと。小児科医に相談に行ったところ「あまり神経質にならずに様子を見ましょう」といわれたので、それ以上の対応はしなかった)

 私が小学生だった~70年代半ばのころは、東京近郊の都市である私の居住地でも家の近くには古き良き昭和30年代を彷彿とさせる駄菓子屋がまだあり、ところどころに草野球ができるくらいの空き地がありました。
 
 小学校から帰ってくると鞄を投げ出して自転車ですぐ野球に行ってしまうような、(どもるところを除いては)昭和の高度経済成長期中期の典型的な少年でした。時代背景は「ちびまる子ちゃん」そのものです。

 小学校の2~3年くらいからでしょうか、授業中に指名されてひとりで教科書を音読するときや、自分の名前を言うときに明らかな言いづらさ自覚し始めました。同級生に笑われたり先生に指摘されるようになると、しゃべる前にこわさを感じるようになりました。
 私の場合は、父もどもりであるにもかかわらず、私がどもるたびに「ゆっくりしゃべれ!」と顔を歪めて怒るのです。(そのトラウマが大きいように思います。)

 4~5年生の頃になると、例えば、次の日の国語の時間に教科書を読まされることがわかっている場合には、子供心にも「死んでしまいたい、地球がなくなってしまえ」とまで思うようになっていました。

 それでは、さぞ、家庭や学校では暗い引っ込み思案の子供だったかというとそうではなくて、学校でも家庭でも「ちょっとどもるけれども、明るい少年」といわれていました。(小学5年のときの通知票に書かれています。)
 思いっきり「演技」していたんですね。
TV等で、いじめで自殺した子供が親にも打ち明けられずに・・・・という話を聞くたびに心が締め付けられます。
*このあたりのことも、私が、何気ない日常会話レベルでどもりまくるような「重さの」子供だったら、その症状が自分の心に及ぼした影響は相当のものだったでしょうし、今を生きる子供でしたら学校では陰湿ないじめにあって「引きこもり」になっていたかも知れませんね。

 中学1年生になると、なぜか急速に症状が軽くなり、授業中もすらすら、電話もOKという感じで、「治った。これでもう、私の将来はバラ色」とうれしくてうれしくてたまりませんでした。クラス役員なども歴任していました。  
  しかし、2年の秋頃です。急にどもりが復活しました。
授業中に教科書が読めない、名前が言えない・・・・小学校高学年以来の事態で、そのまま3年生になります。
学年でもトップクラスの成績が徐々に低下し始めましたが、それまでの貯金で公立の進学校に入りました。

 高校に入ってからは地獄です。
 最初のオリエンテーションの時に受け付けで名前が申告できないところから始まって、3年間緊張の連続、心の奥では「死ねれば楽だろうな」とか「核戦争になり世の中が終わってしまえば良いな」、こんなことばかり考えていました。要するに、ギリギリ、だったのです。
 よく死ななかったなと思いますし、あのときに死んでいれば楽だったな・・・と今でも思うことがあります。
こんな状況で勉強に集中できるはずがありません。
 授業中は当てられる順番を数えて緊張し、週末になるとしばしの解放も日曜の夜になるとまた超ブルーになることの繰り返しです。

 そこまで追い詰められても自殺しなかったのは、10代の若い心が、まだ、柔軟性とそれなりのキャパシティーをもっていたからだと思います。(本当はひとりで耐えてはいけなかったのですが)

 そのうちに「続き」を書きます。・・・・

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