吃音:いま与えられている環境下でできるだけの工夫する(2009/03/17再掲載)

 4月に入学・進級・入社したどもり持ちの方々、また、どもりを原因として引きこもっている方、など、様々な状況のなかで「もがいている」方は多いと思います。

 5月病ということばがありますが、生活に明らかな支障が出るようなどもりをもっていると、ある意味、一年中5月病のような心理状態で生きておられる方、かなり多いようです。
 そこで、再掲載で恐縮ですが、いまできること、を書きます。

 このブログは、「こうあるべきだ」というような提案型の内容や、「現状分析」が多くなっていますが、今回は、いま自分が生きている環境下でより良く生きるにはどうしたらよいかを考えます。
(うつ病についても、参考になる部分があるのではないかと思います。)

○、パニックからの脱出(自分を守る)
 まずしなければならないのは、パニック状態からの脱出です。
 ある程度以上の重さのどもりで日常生活に支障が出てくるなどのことから精神的に追い詰められたり、
 客観的に見て軽いどもりでも、いろいろな理由から悩みすぎて追い詰められて、「うつ状態」になっている方、
そのままやせ我慢していると、重い「うつ病」になってしまします。
「毎日が憂鬱で死んでしまいたい」などと感じているようでしたら、いや、そんな気持ちになる前に、精神科か神経科に駆け込みましょう。
 どこに行ったらよいかわからなかったら、都道府県にある「精神衛生センター」に相談するのも良いかもしれません。
 担当する精神科医や臨床心理士はどもりに対する深い知識はないでしょうから、「いまの心の状態」をあらかじめ文章にしておき持って行き、読んでもらうのが良いでしょう。
 もともと「どもり」ですから口頭での説明がうまくいかないかもしれませんし、相手が心の医者といえども初対面では言いたいことも言えないかもしれませんから(時間も限られていますし)、今までの出来事を年表形式で書いたり、いまの心持ちを綴っておくと良いですね。
  子供の場合は、学校ではどもりを原因としていじめられているのに、家庭ではイジメのことなど何も言わず明るく振る舞っていて、突然自殺、などということにならないように、親御さんが特に注意する必要があります。

○、家族や友人との関係を見直す
「自分がどもりでどれほど悩んでいて人生に支障が出ているか」ということを家族にわかってもらえているケースは実は少数派で、それほど悩んでいないと勝手に思われていたり、子供のどもりに無関心な場合が多いですね。
 本当はかなりどもるのに家庭内ではことばを少なくして自分のどもりを見せないようにしている人も多いので、徐々にでも自分の本当の姿「かなりどもっているところ」を公開すべきです。
 これは家族に対する、「私はどもりで死を考えるほど悩んでいるんだ」というアピールもなるし、「自己同一性(自分が自分であること:わたしのこのブログのテーマでもあります)」を守るという自分にとっても大切な作業です。
 自分のどもりを赤裸々に話せる友人がひとりでもいれば、どもりで傷ついている心はどれほど救われるでしょうか?
なかなか見つからなかったら、セルフヘルプグループに参加する方法もあります。

○、今の言語能力を査定する
 「自分はどの程度のどもりなのか」を、現実から逃げないで自己チェックすることです。
 小型のレコーダーをもって、「家庭内での会話」、「電話しているところ」、「町で買い物をしているところ」、「学校や職場で話しているところ」などを録音し聞いてみます。
 本当はこの時点で、どもりに精通している言語聴覚士のサポートを受けられればベストですね。

○、将来の希望と現状の言語能力に大きな差はないか
 現状ではかなりのどもりがあるが将来はアナウンサーになりたい、という希望を持っている場合などですね。
 よく言われる、どもりをもっている(もっていた)が今は「成功」している有名人などの話を引き合いに出して、
「やればできる」的な応援をしてくれる人もいますが、要は自分次第なのです。(第三者は最終的な責任をとってくれません。)
 チャレンジすることはとても良いことですが、現実には失敗もいくらでもありますので、思春期以降の青年ならば自分の心の危機管理をしっかりと行ない、子供の場合は親御さんがしっかりとサポートしてあげることです。

○、専門家を上手に利用し使いこなす(受動的に利用しないこと)
 吃音の知識は不完全ながらも(特に精神科医や臨床心理士のどもりに対する深い知識や吃音者に対する臨床経験は期待しない方が良いでしょう)それぞれの分野の専門家である、精神科医、臨床心理士、言語聴覚士・・・などをうまく利用しましょう。こちらから使いこなすのです。
 その際は、こちらから丁寧に説明してあげることです。そうすれば彼らも勉強してくれます。これがプロの世界です。
「どもりとはどんな症状で、どんな心持ちになるか、どんなふうに困っているか・・・」ということを詳しく説明することです。
 そうすれば、各専門分野からのアドバイスをしてくれますので、かなり助かると思います。

○、「セルフヘルプグループ」に参加したり、自分でセルフヘルプグループを作ること。
 セルフヘルプグループは文字通り「自助グループ」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。なんでこんなことを書くかというと、「良い点」と、「注意すべき点」があるからです。
 「良い点」は同じ悩みを持った多くの人と出会えること。
これは、悩んでいるのは自分だけではないということが確認できることと、他の人の経験談を聞けることで、勇気ももらえるでしょうし、もしかしたら親友ができるかもしれません。
 ひとりぼっちで悩んでいた人にとっては大きく心持ちが変わるかもしれません。

 「注意すべき点」は、グループ内で何らかの人間関係上のトラブルがあったときの責任体制が明確でなく、また、きちんとサポートしてくれない場合が多いということです。
 例えば、お説教のような「アドバイス」をしつこくしてくる人もいるでしょうし、そういうことに対しての対処方法がきちんとできていない場合が多いでしょうから、思わぬ人間関係の軋轢に巻き込まれて心が大きく傷つくこともあり得ます。
 わらをもつかむような気持ちで参加したセルフヘルプグループ。
積極的に参加して、傷ついた心が救われることが多いかと思いますが、なにかの出来事や誰かのことばに傷ついて「こんなところにくるんじゃなかった」という結果に終わらないように、「グループ」を客観視することも必要ですね。
(人間関係の軋轢は、学校でも、職場でも、スポーツクラブでも、どこでもあり得ますが、どもりの悩みで心が深く傷ついている状態でさらに傷つくとたいへんですからね。)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中