吃音:「その人本来の良さ」を損なってしまう子供の頃からの吃による苦労の連続

 (日常生活に支障があるような)ある程度以上重いどもりを持つ人の、「どもり」であるがための苦労による「心の疲労」を、「心の歪み」まで進めさせてしまい、うつ病などの心の病気になったり人生そのものに悪影響を与えてしまわないようにするために、本人や家族などのまわりにいる人たちはどのように対処すべきでしょうか?

 「三つ子の魂百まで」ということばがありますが、
もともとは素直で積極的な子供だったのが、数々のつらいどもり経験をくりかえしすることにより「暗く消極的な格」になってしまう(または、そのように見えてしまう)ことは希なことではありません。
(現在では、学校や職場での陰湿ないじめの問題もありますので、それらも考えなくてなりませんね。)

 どもりのセルフヘルプグループなどの集まりに出てみると、「これがどもりの人たちか?」と思うほど、よくしゃべり積極的な人が多いのに驚かされます。
 その場で思うことは、本来はこういう性格の方々が「無口で暗い性格」に思われてしまう。
 また(学校や職場や家庭の)ある環境下では、そのように思われるような振る舞いを(結果として)してしまう。

 いわゆる「いい人」ほど、本当は深く悩んでいるのに周囲に心配をさせないように明るく振る舞うこと、
言い換えれば、どもることによる生活上の悩みや心の疲労を心の隅に無理矢理押し込んでいると、こころの疲労がどんどん蓄積していってしまう、ということがあるのです。
 心の疲労はあるレベルまでは我慢できてしまうので、我慢しすぎると、うつ病をはじめとする心の病になってしまいます。
そして、症状が体に表れてきた時点では、治癒に何年もかかるような重い病状になっていることが多いのです。

 こんな事態に陥らないように・・・・・

○、(家族、友人、精神科医など)ひとりで良いので、どもりの悩みを何のためらいもなく話せて受け止めてくれる人を持つことです。(できれば親友が持てれば良いですね。)

○、家族や友人、上司などに、できるだけどもりのことを理解してもらうように働きかけること。
少なくても、どもりを理由にして、いじめられたり馬鹿にされたりしないような環境を自分で作り上げるように工夫する。
 今の環境ではどうしても実現できなかったら、(例えば家族からの自立、転職などで)環境を変えることも必要かも知れません。
 遠慮せずに思いっきりどもれる場所があれば良いですね。

○、自分を責めないこと。
まじめで良い人ほど、「どもっているのは自分の心が弱いからだ・・・・」などと自分を責めてしまいます。
そんなことをしても良いことは全くありません。かえって症状も悪化するだろうし、心も痛むだけです。

○、(本人が望むならば)少しでもことばの流ちょう性を高めるための「言語訓練」をすることも良いことだと思います。
 この考え方には両極端の議論があることは承知しています。「どもったままでよい」という考え方と、「少しでも流ちょうにしゃべれるようにいろいろとトライすべき」という考え方です。

 ある場面では「どもったまま生きていこう」と感じた同じ人が、違う場面では「少しでも軽くしたい」と思うことがありますが、それは人間としてあたりまえのことです。そのような「人間的なところ」を大切にしましょう。

 今の日本では、思春期以降(中学生以降)のどもりの方々に対して継続的にカウンセリングを行ったり言語訓練を行う病院やリハビリ施設などは事実上ありません。
 ですから、仲間うちでサークル的な活動をするしかないのです。
しかし、その仲間うちのサークル活動が、思いのほか(結果としてですが)どもりを軽くしたり、症状はそのままでも元気が出てきて就職できたりすることがあるのです。
(この際に注意しなければいけないことは、グループ内での「重い人」と「軽い人」のいろいろな「違い」を常に考えながら活動していかないと、結果的に心が傷ついてしまい集まりに参加できなくなる方が出ることがあるので、個人間の違いを尊重し互いのことを思いやりながら進めていくことが必要です。)

 とにかくいろいろな考え方がありますが、・・・・・・・・・・・・
 今、自分が生きている場所(職場・学校など)に少しでも適応できた方が現実を生きていくのが楽ですから、ここであえて提案しています。
(こんな経済状況ですから、人生にはどもりでなくても苦労することはいくらでもありますので、これ以上苦労の種をふやさなくても良いでしょう。)

 自分の心をこわさないように上手に守って、幸せをつかんでくださいね。

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