吃音を持つ子供の心が家族の無理解などにより傷つくことの危険性

 今回は、小学生から高校生くらいまでのどもりで悩んでいる子供をイメージしながら、両親などの家族が子供のどもりに無理解の場合には子供にどのような悪い影響を与えるかということについて書きます。

 「家族の無理解」と控えめに書きましたが、実際は、どもりで悩んでいる子を「言葉による暴力」で大きく傷つけている場合などもまれではありません。
 その背景には、両親などの家族のどもりに対する知識のなさや、また、どもっている本人が悩みを親に打ち明けないこと(いじめの場合と似ていますね)、などがありますが、
 「親の言葉が(結果として)子供を傷つける」→「子供が余計に親と話さなくなる」という吃音悪化のスパイラルに陥っている場合が多いのです。
 ただでさえ悩みが多い思春期。この時期に「プラスどもりの悩み」となると、どもりの悩みを心からわかってくれる人の存在が必要ですが、学校ではどもりの恐怖におびえ家に帰ってからは親の無理解では心の安まる場所がありません。絶望的な境地になることもあるでしょう。
 (多くの親はかわいい我が子を大切に育てていることは言うまでもありませんが、その場合でも、どもりに対する知識のなさから結果として子供の心を傷つけてしまうこともあるでしょうし、悪意をもって接する親子関係も決して希なものではないことは毎日の報道等で見ればわかりますね。)

 どもりを持つ子供がいるご家族内では、もう一度、家族間の人間関係を見直したり、子供のどもりについていろいろと勉強してみる必要があると思います。

 ほんとうは、経験豊富なカウンセラー(日本では臨床心理士や臨床発達心理士か)が適宜家庭に介入して、どもっている子供の心のサポートはもちろんのこと、両親などの家族に対してはどもりについての正確な知識を教え、また、子供に対する間違った対応がある場合にはそれを変えてもらうためのサポートをしてもらう必要があります。

 しかし、日本においては、心理カウンセラーそのものが国家資格化されていませんし(生活が不安定)、また、問題を抱えた子供や家庭に組織的に介入するシステムがありませんので作る必要があります。(どもりの問題だけでなく、子供の抱えるいろいろな問題に有効なはずです。)

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吃音を持つ子供の心が家族の無理解などにより傷つくことの危険性」への2件のフィードバック

  1.  管理人です。ありがとうございます。
     日本でも親などの家族を対象にしたワークショップはないことはないのですが、一部の専門家や組織が非組織的に行っているに過ぎません。
    (親の子供への虐待で事件が起こるたびに、児童相談所の不作為が報道される日本ですから、言語障害のところまでサポートが組織的になるのはいつのことでしょうか?)

  2. 子どもだけでなく家族に対してもサポートが必要だということは、わたしも仕事柄日々痛感しています。子どもの人格形成と家庭環境は切っても切れない関係ですが、そのことを考慮にいれないと、適切なサービスは提供できません。ですから、sukosizutuさんのおっしゃるように、
    >問題を抱えた子供や家庭に組織的に介入するシステムがありませんので作る必要があります
    これは、是非とも実現してほしいですね。
    わたしはカウンセラーと一緒に家庭訪問をすることもあるのですが、それによって、問題の本質は子ども自身ではなく、親のほうにある、と気づくことが実に多いんです。
    特に、心の面でのケアが不可欠な吃音は、子どもだけにセラピーをしても効果はあまり期待できないんですね。
    親子一緒にこの問題にきちんと取り組むという姿勢が、絶対必要だと思います。
    と、わたしがアメリカからそう訴えたところで、日本まで声が届かないのではという無力感を
    覚えてしまうのですが、アメリカでは吃音を持つ人が親子に対して自分の体験を語り、
    親子一緒に考えていく機会がたくさんあります。講演会、セミナー、ワークショップなど、親と子が
    一緒に参加できる機会を、日本でも設けてもらいたいものです。
     

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