自分自身で「かわいそうな吃音者」にしていないか

 どもりで悩んでいる人は、「自分は本当にどもりだけが原因で悩んでいるのか」を自問自答してみたほうが良いかもしれません。

 というのは、どもりを持っている人が、日常生活や学校生活、仕事の中やまたは、入学、就職、結婚などの人生の岐路で悩んでいるときに、「自分はどもりのせいで○○がうまくいかない」と考えるときに、実はうまくいかないのはどもりだけのせいだけではなくて、「柔軟性に欠けた生き方が自分を余計に生きにくくしているのでは?」と考えてみる必要があるのではないかということなのです。
(というよりも、柔軟性が欠けてしまうようなどもりに対する向きあい方を、子供のころから身につけさせられているということろが本当のところだと思います。)

 どもりで授業中指名されても教科書の音読ができない、職場でどもらない人のように電話がかけられない、など・・・・・これはある程度以上の重さのどもりならば当たり前のことです。
 どもりなのに、いつもどもっているのに、授業中に急に上手に朗読ができるでしょうか?

 また、家庭内で自分のどもりが理解されないとき(特に家族内の会話ではそれほどどもらないとき)も、自分が思っているほど家族は気にしていないのです。
 「
自分のいまのどもりがどんない辛いか」を説明するのは、他人にする以上に家族には説明しにくいものでもありますからね。
「最初から、家族は自分のどもりの苦労を理解してくれて当たり前」と考えるから(思いたいから・・・)、自分の中で余計にフラストレーションがたまるのかもしれません。

 どもりは「障害」なのです。

 ごく軽いどもりならば何らかの言語訓練や心理的なカウンセリングで、教科書の音読も表面的にはどもりがほとんど目立たないくらいまでにはなるかもしれません。電話もそれなりに流暢にかけるようになるかもしれません。
(しかし、それで本人の心が穏やかになるかというと、もしかしたら、またひどくどもり出すのではないか「実際にどもりが良くなったかに見えて何かのきっかけや原因不明の悪化は日常的にあることです」
・・・・との恐怖心が、心のどこかに常にあることもありますね。)

 しかし、現実には、
かつての民間矯正所でやられていたような「腹式呼吸」をしても、「大きく息を吸ってゆっくりしゃべって」も、なお、「コンスタントにどもり続ける人はいくらでもいる」という現実を、どもりを持っていない人が知るということはもちろんのこと、比較的軽いどもりの人もその事実をしっかりと理解しないといけないでしょう。

 では、どもりを持ちながらでは就職も全くできないか、結婚もできないか、恋もできないか???・・・・そんなことは全くありません。
もちろん就職だってどもりでない人と比べると就ける職種が減るのは確かです。恋をしてその人に打ち明けた時にどもりを理由に敬遠されることもあるかもしれません。しかし、できないということはないのです。
 

 ただし、「どもりという言語障害を持つことにより、生きる上でいろいろと制限されることがあるという事実」が自分で受け入れられるかですし、どうしても受け入れられなかったら自己責任で「果敢に挑戦すれば」いいのです。
(これがどもりの不思議なところなのですが結果を出す人もいます。12月26日の書き込み「吃音と気づき」を参照してください。)

 そのようなときに大きな力となるのは、同じ悩みを持っているセルフヘルプグループの仲間です。

 注意しなければならないのは、比較的軽いどもりを持っている(持っていた)人で、自分のどもりの症状が「ある方法」で良くなったということを声高に主張し、他のどもりの人に半ば強要する傾向がよく見受けられることです。
 そういう方は、本人はともかく、周りの人に聞くと、最初からそれほど重いどもりではなかったということが多いのです。

 「どもりとはどんな障害で、本人がどれほどどもることで傷つき、しなくてもよい余計な苦労をしているのか」、という正確な情報を、どもりをもったお子さんの親御さんや先生、そして職場の同僚や上司などに、正確かつ的確に知らせることが極端に不足しています。
 「一見、軽いどもりに見えても、実は、肝腎なときに大きく破壊的にどもってしまう」・・・・・・こんなどもり本人にとってはあたりまえなことが、歯がゆいくらい理解されていないのです。

 それがなされてからだと思います。

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